JAMPのAISへの記入方法について
登録日: 2009年09月18日 最終回答日:2009年09月24日 健康・化学物質 有害物質/PRTR
No.33356 2009-09-18 19:37:10 ZWlc04e 匿名
JAMPのAISへの記入についてお尋ねします。
原料樹脂を購入して射出成型で原部品を製造しているメーカーで環境負荷物質の含有調査を担当しています。製品に使用しているポリプロピレン樹脂についてですが、これまでの調査で、この樹脂にREACH規則のSVHCに該当するフタル酸エステルが20ppm含有されているという情報を樹脂メーカーから得ていますが、その具体的物質名については企業秘密ということで原料樹脂メーカーは開示してくれません。
この度、この樹脂を原料とした製品についてセットメーカー(客先)よりJAMPのAISでの調査依頼がきました。AISでは、対象物質の含有or非含有の宣言と、閾値無しでの化学物質名、CAS No、含有量の記載が必須となっています。当製品の場合、微量ですが対象物質を含有しているので宣言は「含有する」として含有量も15ppmと記載できますが、物質名とCAS Noは、記載できません。この場合のAISへの記入方法として、物質名にはPhthalates(フタル酸エステル類)、CAS Noは無記入、その他の情報欄に「具体的物質名は樹脂メーカーが非開示」と記載すればいいんでしょうか?同様な経験をお持ちの方、もっと良い対応方法がありましたらご教授ください。
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No.33366 【A-1】
Re:JAMPのAISへの記入方法について
2009-09-19 19:35:38 matsu (ZWl743
>製品に使用しているポリプロピレン樹脂についてですが、これまでの調査で、この樹脂にREACH規則のSVHCに該当するフタル酸エステルが20ppm含有されているという情報を樹脂メーカーから得ていますが、その具体的物質名については企業秘密ということで原料樹脂メーカーは開示してくれません。
コメント:フタル酸エステル類を可塑剤として使う場合、このような含有率にはならないと思います。この数字は、リサイクルや装置上の混入などのレベルをいっているような気がしますので、今でも同じ状態なのか確認したほうが良いと思います。
>この度、この樹脂を原料とした製品についてセットメーカー(客先)よりJAMPのAISでの調査依頼がきました。AISでは、対象物質の含有or非含有の宣言と、閾値無しでの化学物質名、CAS No、含有量の記載が必須となっています。当製品の場合、微量ですが対象物質を含有しているので宣言は「含有する」として含有量も15ppmと記載できますが、物質名とCAS Noは、記載できません。この場合のAISへの記入方法として、物質名にはPhthalates(フタル酸エステル類)、CAS Noは無記入、その他の情報欄に「具体的物質名は樹脂メーカーが非開示」と記載すればいいんでしょうか?同様な経験をお持ちの方、もっと良い対応方法がありましたらご教授ください。
あなたの書き方でも良いと思います。
ほかには、JGPSSIのJIGのリストを、「特定の化学物質含有情報シート」という書式にして調査、解答しているところがそれなりにあります。(昔日東さんが始めて今はJAMP移行)
この調査方式は、米国のIPC-1752というマテリアルデクラレーションフォーマットを準用した形にもなっています。
たとえば、
http://www.nsc.co.jp/product/sheet/pdf/EGC-QR.pdf
http://www.asahi-kasei.co.jp/akemd/koubai/jp/documents/gp2.xls
ベンダーさんにこの書式でもらって、ユーザーさんにこの書式で解答すると、「一部のフタル酸エステル類」という物質を特定しない形式になるので、書き込みやすいです。
回答に対するお礼・補足
お礼が遅くなり申し訳ありません。
フタル酸エステルの含有目的はcerhaさんが書かれている通り、PP重合触媒の一成分です。JAMPのAISの場合、作成支援ツールを使うとフタル酸エステルという一般名では記入ができないので質問した次第です。仕入先からはSVHCに該当するという回答を得ている以上、「含有しない」という宣言はできないし、また具体的物質名は非開示だし、AISにどう記入していいのか迷ったので質問した次第です。アドバイスありがとうございました。
No.33376 【A-2】
私もmatsuさんと同様に考えます
2009-09-21 21:34:47 todoroki (ZWl7727
matsuさんご提示のURLの.pdfファイルも、一度熟読してみてください。
新〇鐵さん、旭〇成さん、さすがです。
今見たら消されていましたが、
先ほどまで「JAMPのAISをベンダーさんに書いてもらって・・・」と
書いてあったのは、
ちょっと勇み足でしたかね。
回答に対するお礼・補足
回答いただきましてありがとうございました。
No.33378 【A-3】
Re:JAMPのAISへの記入方法について
2009-09-22 09:15:11 池田 (ZWl809
matsuさん、todorokiさんと同様の意見ですが補足として書きます。
20ppmというのは不純物レベルだと思いますし報告しない企業もあるような気がしますのでこの樹脂メーカーは優秀だと思います。
ただ、意図的、非意図的含有は確認しておいたほうがセットメーカーに説明しやすいと思います。
弊社ではJAMP調査依頼がくるとそのまま材料メーカーにJAMP調査依頼をしていますが、ある業界では書面で回答を拒否されましたのでそのままセットメーカーに報告しています。
MSDSを依頼すると情報シートなどが添付されているメーカーをたまに見かけますがさすがと思ってしまいます。
回答に対するお礼・補足
回答いただきましてありがとうございました。
私のこれまでの概念は、原料樹脂の触媒残渣として含有する場合も、「意図的含有」の範疇に入ると考えておりまして、これまで顧客からの調査に対して、「フタル酸エステルは含有するが、物質名は原料メーカーが非開示」と回答してきました。JAMPの含有の定義も、何らかの目的で添加している、若しくは何らかの理由で含有が既知である」であったと思います。
JAMPのAISでの回答を拒否する調査依頼先は、このように具体的物質名を非開示にしている会社に多く、またセットメーカーからはAISで(閾値なしで)XML変換して回答せよという指定があるし、中間の小企業としては頭がいたいことばかりです。
No.33379 【A-4】
Re:JAMPのAISへの記入方法について
2009-09-22 13:51:41 cerha (ZWla613
弊社も以前購入しているポリプロピレンの調査で似たような回答を入手したことありますが・・・そのメーカーさんは、含有する理由やそれが問題となるレベルではないという詳しい説明の別紙を付けてきてましたが、それによると、フタル酸エステルを載せている理由は、重合工程で使用する触媒の中にフタル酸エステルを含むものがあり、代表銘柄のサンプルでの調査結果で最大数ppm含有を確認したためとのことでした。
ちなみに下記ページにて(上記メーカーの場合がこれに相当するかは不明ですが)・・・
http://www.cmaj.jp/catalyst/column10.html
ここの後半のほうに、「PPの立体規則性の向上・・・PP用の高性能触媒が誕生・・・特定の電子供与体(内部ドナー)・・からなる触媒・・・1980年代に、内部ドナーとして特定のジエステル化合物を・・用いた触媒が登場した」などという記述がありますが、もしかしたらこのPP用高機能触媒中のジエステル化合物がそれであるのかもしれませんが。
もうひとつ参考までに・・
http://www2.spsj.or.jp/chushikoku/H18/32kohza.pdf
1ページ目後半部分に「現在では触媒合成時に添加するフタル酸ジエステル類に代表されるいわゆる内部ドナー・・・が最も効果的である」とあります。
質問者さんも一度材料メーカーさんに含有理由を確認されることをお勧めしますが、同様の理由であったなら、(可塑剤などとは違い)製品に何らかの機能を与える目的で添加しているもの(意図的添加)ではないですし、SVHCに該当するとしても情報伝達義務を生じる1000ppmをはるかに下回ってますし、私もみなさんの言われる対応で問題ないかと思います。
以上参考までに。
回答に対するお礼・補足
回答いただきましてありがとうございます。
お教えいただいた各資料、参考になりました。
AISも閾値0.1%という条件にしてくれれば有り難いのですが・・・・。
0.1%の分母の定義がまだ流動的のため、そういう訳にもいかないんでしょうか?
No.33413 【A-5】
Re:JAMPのAISへの記入方法について
2009-09-24 19:17:48 cerha (ZWla613
質問者さんは「原料樹脂の触媒残渣として含有する場合も、「意図的含有」の範疇に入る」との考えですが、JAMP定義の「意図的添加」は「対象物に一定の性能を持たせるために添加された状態」ですし、JIGや旧ELVでは「特定の特徴、外観、品質をもたらすために最終製品中に継続して存在するよう意図して使用される」となってますので、本ケースでは樹脂の合成過程では必要とされますが、最終製品の機能・外観・品質などの性能を持たせることを意図しての含有ではないので一般的な定義では「意図的添加」にはあたらないのではないかと。
ただしJAMPでの含有を申告する条件はたしかに「意図的添加」の他にも「含有が既知」(含有の情報を川上から入手したり、分析などで含有を確認した場合など)というのもあり、本ケースはこちらに該当すると思うので申告することが望ましいと思いますが。
とはいっても川上より入手できた範囲で伝達していけばいいわけですし、先にも言いましたようにSVHCに該当するといってもREACHでの開示(あるいはEU玩具指令の制限等)の閾値よりはるかに低いですし、物質を特定しない「フタル酸エステル(Phthalate)」とだけの記述で問題ないのでないかと思います。(支援ツールでも物質名の手入力は可能なはずでXML出力も可能かと。)
それに法規上問題ないのであれば、あとはJAMPルールというのは所詮は特定の団体のボランタリーな取組みの中の話しなのであり、個別の対応方法はお客さんと相談するしかないのかなと。(お客さんがそれでよいといえばいいし、ダメと言われれば再度川上にお願いしてみるしかないでしょう。どちらもBtoBとして。)
先の返信にあった件で、JAMPでの情報伝達に閾値を設けないのは、伝達した先で成分組成にどのような変化が加えられるか供給元で把握できない場合や、法規によっては形態や用途により制限条件が異なる場合もあって、上流・中流の報告時点で閾値で切ってしまうと最終的にクリアしない場合が出てくることの回避のためだと思います。(もちろんSVHCの分母の件もあると思いますが)
以上、参考までに。
回答に対するお礼・補足
コメントありがとうございました。
今回のセットメーカーへの回答については、「SVHCを含有する」と宣言し、フタル酸エステルの具体的物質名については原料供給先が非開示という内容で報告します。
樹脂メーカーからの触媒成分非開示についてはフタル酸エステルだけでなく他の無機金属化合物成分についても同様だし、重合溶媒残渣についても非開示のところが多いようです。客先から具体的化合物での含有・非含有の調査に対し、原料供給先からの回答は具体的化合物を含む一般物質名で「○○ppm含む」という内容の場合等、こんな回答で客先から文句言って来ないかとびくびくして回答したこともあります。
AISの場合、JAMPで基準がはっきりと規定されており気持ち的には楽です。
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