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環境Q&A

森林の減少について。 

登録日: 2003年08月23日 最終回答日:2003年08月26日 地球環境 森林の減少

No.3286 2003-08-23 20:44:00 未来

最近、熱帯雨林や森林の減少が問題になっていますが、日本の森林の減少が比較的著しくないのは何故なのでしょうか?
これは、日本が諸外国から材木等を輸入しているからなのですか?

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No.3313 【A-1】

Re:森林の減少について。

2003-08-26 14:01:01 LP

>これは、日本が諸外国から材木等を輸入しているからなのですか?

紙や製材の原料を海外に頼っている現象面から言うとそのとおりです。

では,なぜ国内の樹木を利用しないのか?という疑問には以下のとおり。

日本の国土は大部分を山岳が占めており,中小の河川も無数にあります。降水量も多く,山林の保水力が失われれば洪水や土石流に少ない耕作可能地や住居がだめにされますので古来からの定住型な農耕社会では山林はむやみに伐採せずに循環利用可能な里山として管理されてきました。

焼畑により開墾して作物を得,育たなくなるとその土地を捨てて更に開墾・焼畑をするというタイプの農業からみると対照的です。

食料を輸入に頼るようになった現代においても,山林の荒廃は住環境の破壊に直結しますので,大規模伐採を国も住民も歓迎しない機運が高く保たれています。

戦時中,戦況が傾くと軍艦などの兵器を製造するために鉄が大量に必要になりました。「1トンの鉄を得るために山ひとつ」といわれたように,鉄精製の還元剤とするために日本中の山の樹木が短い期間に大規模な伐採が行われました。
昭和20年代〜30年代に全国的に深刻な水害が多発したのもこの大規模伐採により生活圏に直結した山林の保水力が失われたためで,そうしたことを少なくとも私たちの父の世代は自分たちの経験として知っています。

では外国の森林はいいのか?というと,やはり自国だけの利益追求ではよくないということをだんだん考えるようになってきたから,こんにちのリサイクル社会(及び国が行う途上国への援助)になってきているのだと思われます。

No.3318 【A-2】

Re:森林の減少について。

2003-08-26 22:44:39 NAT

「LP」さんの回答に捕捉させてもらいますと、国内の樹木を利用しないだけでなく、利用しようにも経済的に成り立たなくなっていることもあると思います。

日本の国土にはシベリヤの大森林のような、天然の資源はそう多くないと思います。杉や檜、松を植林し育ててきています。
しかし、林業(植林)というのは私が植えて子供が育て孫が収穫するというように非常に経済サイクルの長い事業です。かつては日本の山村では林業・農業で生活できましたが、今や非常に困難な状況なのはみなさん分かるかと思います。とても輸入木材の価格には勝てません。戦争中に荒れた山に戦後植林をしたものの、維持管理が出来なくて(採算があわないから誰もしない))荒れている山が問題になっています。

私個人的には、自国で大量の木材を利用するなら、他国の森林環境を破壊せずに自国で出来る限りまかなうことが、これからは必要だし、そのような経済的な仕組みもやがて求められるのではないかと思います。食料の自給の問題にも、将来的な世界人口の増加や異常気象の増加、水不足の深刻化を考えると、同じことが言えると思いますし、これらは日本に余裕のあるうちに対策を行わなければ、自分の子供や孫の代に大変なことになるような気がします。

後半、少し質問の趣旨からはずれ、すみません。

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