活性汚泥法で浄化される汚水中の有機物とは?
登録日: 2009年05月02日 最終回答日:2009年05月06日 水・土壌環境 水質汚濁
No.32023 2009-05-02 22:41:19 ZWlc43a アニー
文系の環境学習ビギナーです。
基本的なことかも知れませんが、よくわからないので教えてください。
下水道終末処理施設では、活性汚泥法で「硝化性細菌によりアンモニア性窒素→亜硝酸性窒素→硝酸性窒素」というように汚水が浄化されるとある本で読みました。
下水の汚れの大半は生活排水だと聞いていたので、炭素を含んだ有機物の汚れが微生物の働きでとれていくんだと思っていました。実際は汚水中の有機物とは窒素化合物のことをいうのでしょうか?
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No.32025 【A-1】
Re:活性汚泥法で浄化される汚水中の有機物とは?
2009-05-04 09:02:55 たそがれ (ZWla61d
この分野はベテランの回答者が何人もいるはずなんですが、ゴールデンウィークということで沈黙されているのでしょうか。
もう少し待っていただければ、私と視点の違った回答も得られるでしょう。
私も下水流入水のBODや形態別窒素の試験成績書をたまに、チェックします。
まず、下水の汚れは生活排水だけでなく事業所排水も含まれる場合がありますので今後は、重金属汚染等にも視野を広げられてもよろしいのではないかと思います。(活性汚泥法で除去できるか、考察してください。)
下水流入水の窒素ですが、その多くは尿由来の尿素が分解されたアンモニアであり、その他、有機体窒素もあります。(有機物は窒素を含む物も含まない物もあります。)
アニーさんの言われる「炭素を含んだ有機物の汚れが微生物の働きで取れていくんだ。」というのは本来の有機汚濁の処理としては正しい考えだと思います。
ただし近年、放流先の富栄養化が叫ばれるようになってから、下水道終末処理施設や浄化槽に窒素除去機能が付加されるようになってきました。
具体的には処理水を装置の上流側に戻す方式が多いのですが、あくまで機能の一端だととらえるべきだと思います。
「アンモニア→亜硝酸→硝酸・・・」という表現もそこの部分を強調しているだけにすぎません。
回答に対するお礼・補足
たそがれさん、はじめまして。アニーと申します。
早速の回答ありがとうございます。
水環境に関心を持ったのが、講談社ブルーバックスの「調べる、身近な水」という本を読んでからです。本当に初心者です。
おそれいりますが、もう少し教えてください。
下水の汚水処理と書きましたので、確かに工場などの排水も下水道管に流れこんでくるのでしょうが、とりあえず汚水を「家庭からの生活排水」だけに単純化して考えると、窒素を含む有機物が生活排水の汚れのほとんどだと考えていいのですか?
(実は、有機物の定義もよくわかっていないのです。)、
そうすると窒素を含む有機物は、硝化性の微生物が分解し、それ以外の汚れの原因物質は、また別の微生物等が働いて水を浄化してくれるというように考えて差し支えないのでしょうか?
No.32026 【A-2】
どう書いたものか考えていました
2009-05-04 09:50:43 todoroki (ZWl7727
知り得た情報をどう使いたいのかという先入観なしで書きます。
本で読んで勉強されたのですね。
では実際に現地を見たことはありますか?
あなたがお住まいの、または勤務先,学校のある市区町村には、
必ず下水道終末処理施設があるはずですが、
そこでお勤めの方に現実を聞き、今回と同じ質問をしたことはありますか?
また、市区町村によっては下水の形態がまったく異なるために、
処理の仕方もまったく異なる場合があります。
そういう「比較○○学」はむしろ、文系の方のほうが得手だとも思います。
そういう経験はおありですか?
ご自分で「文系の環境学習ビギナー」と書かれています。
最初はそうおっしゃる方でも、「現場・現実・現地・現状」を見て、
いわゆる「経験値」を積み重ねて、
その結果その道の専門家になった方はいっぱいいらっしゃいます。
まず「現場・現実・現地・現状」を見て、尋ねることからスタートされては
いかがでしょうか?
ひとつヒントめかしいことを言わせていただくと、
たそがれさんは謙遜して書かれていますが、
最後の段落に実質が集約されていると思います。
PS.
さらにわからないこと、知りたいことがあったら、
「この回答へのお礼・補足」に返信してください。
お礼と書いてありますが、私は「返信欄」だと思っています。
回答に対するお礼・補足
todorokiさん、ていねいなアドバイスありがとうございます。
No.32028 【A-3】
Re:活性汚泥法で浄化される汚水中の有機物とは?
2009-05-04 12:29:05 クマムシ (ZWlb745
>基本的なことかも知れませんが、よくわからないので教えてください。
下水処理場などの生活排水処理施設における、微生物による有機物の分解は、自然界で起きている生分解の一部分を、人為的に拡大・持続させ、高速化させているに過ぎません。有機物の生分解のプロセスは、自然環境中で起きているものと変わりがありません。
ですので、より深く知りたければ、「高校生の生物」の復習と、微生物学や生化学の基礎的なテキストを読むのが良いと思います。
その方が、土壌汚染や地下水汚染、田んぼの水質に与える影響、川の石に付くぬめりの正体など環境で起きている現象、環境中での物質の移動と循環に対する理解が「微生物」を通じて、広くかつ深くなります。
下水処理についての本に書いてある有機物の生分解の解説も、それらからの引用ですから。というか、微生物学のテキストには、下水処理について解説してあるものが多いです。
>>「硝化性細菌によりアンモニア性窒素→亜硝酸性窒素→硝酸性窒素」
これらの反応は、硝化反応と呼ばれるものですが、この反応は、環境中(特に土壌中)での窒素の振る舞い理解する上で、また、農業や植物の振る舞いを理解する上でも、非常に重要な知識です。これを機に、ぜひ理解を深めていただきたいと思います。
todorokiさんは、↓このように書いておられますが
>>あなたがお住まいの、または勤務先,学校のある市区町村には、
>>必ず下水道終末処理施設があるはずですが、
>>そこでお勤めの方に現実を聞き、今回と同じ質問をしたことはありま>>すか?
下水道及び終末処理施設がない市町村は存在します。
また、小さい自治体の場合、現場の職員に専門家と呼べるような人は、まずいないと思った方が良いです。自治体の職員は短期間で異動しますので、「環境学習ビギナー」程度の知識しか持たない人が多いです。でも、それでも、下水処理場は機能するのです・・・。
回答に対するお礼・補足
クマムシさん、ていねいな説明とアドバイスありがとうございました。
No.32034 【A-4】
Re:活性汚泥法で浄化される汚水中の有機物とは?
2009-05-05 00:18:26 風林火山 (ZWl8e32
一般的に下水処理場で除去できるものはBOD,COD,SS,大腸菌群,少量の動植物油などの有機物系と窒素、リンと言われています。(油は分解に時間がかかるので大量に流入すると未処理のまま放流されるので流してはダメとなっています。鉱物油は処理できません)
除去という言葉に惑わされますが全てが微生物に食べられるわけではありません。
有機物系のように微生物の餌となり、分解除去されるものもありますが窒素は脱窒と言う工程を経て最終的には窒素ガスに形態を変えて大気中に解放されているだけなのです。そのため放流水中には僅かしか残らないため分解(除去)されたと思ってしまいます。
またリンも汚泥(この意味は分かりますか?)に吸着されたまま脱水され焼却されます。そしてこれも放流水中に僅かしか残りませんから分解(除去)されたと思っているのです。
私も文系で、しかも歳をとってから処理場の維持管理を担当して現在に至っていますがなんとかなるもんですわ。誰でも最初は素人です。欲張らずに少しずつがんばってください。
回答に対するお礼・補足
風林火山さん、はじめまして。ていねいな回答、ありがとうございます。
下水処理場と冒頭に書きましたが、仕事は全く違います。
たまたま書店で手にとった、講談社ブルーバックス「調べる、身近な水」を読んでから、生活排水と河川汚濁について関心を持つようになりました。
よくわからないのは(実は、有機物という定義もよくわからないのですが)、家庭からの生活排水中の汚れには、硝化という形で分解されるアンモニア性窒素とか亜硝酸性窒素等の窒素化合物以外にも炭素を含む有機物もあり、それらは硝化とは別の過程で分解浄化されるのかということなのですが、あまりにも的外れな質問になってしまっているのでしょうか。
No.32035 【A-5】
Re:活性汚泥法で浄化される汚水中の有機物とは?
2009-05-05 22:02:18 風林火山 (ZWl8e32
有機物の分解で活躍する微生物とは別のものです。
回答に対するお礼・補足
ありがとうございます。
少しずつですが知識が増えてきました。
No.32037 【A-6】
水処理の前に・・・
2009-05-06 17:17:31 Lake (ZWla752
私たち人間を含め多くの生物は有機物を酸素により酸化することによってエネルギーを得ています。これを利用して水中の有機物を分解することができます。
ところで、地球上には、ほかにもエネルギーを得る手段を持った生物(主に細菌類ですが)がいます。
ひとつは、アンモニアを酸化して亜硝酸や硝酸にすることによりエネルギーを得る生物です。これが亜硝酸菌、硝酸菌と呼ばれるものです。
脱窒菌というのは、有機物を酸化するのは一般の生物と同じですが、酸素分子(O2)ではなく、硝酸イオン(NO3-)の酸素を利用します。硝酸イオンから酸素が奪われると、窒素分子(N2)となり、大気中に戻っていきます。
回答に対するお礼・補足
Lakeさん、はじめまして。
みなさんの説明で、すこしずつですが光が見えてきました。
ありがとうございます。
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