環境Q&A

No.30727 【A-1】

Re:不溶化・固化技術について

2008-12-24 21:57:58 BATA （ZWl5461

>重金属による汚染土壌への不溶化・固化技術の適用例は多くあるようですが、ＶＯＣｓによる汚染土壌への適用例が無い理由（適用できない理由）について簡潔にご教示願います。

本当に簡潔で良いですか？
不溶化・固化の技術がVOCに適用できるものが、まだないからです。
重金属類の多くは無機化合物として土壌中に存在します。
一方、VOCは有機化合物として存在しています。

これでやめると、かなり意地悪な回答者になってしまいますので･･･

重金属類は、その化合物の形態を変えることで不溶化することが可能です。金属の硫化物は、水に対する溶解度が低く、結果として水に溶けない化合物となります。
が、VOCは化合物の形態を変える＝分解となるのです。
固化の多くはセメントを混ぜて固めてしまったり、電気を流して土自体を固めてしまう方法（ジオメルト法と言います）などありますが、VOCや油分を含むとセメントがうまく固まらないことが多いです。
また、ジオメルトでは地盤の中で加熱されるので、VOC自体は分解します。

ということで、固化・不溶化の処置はとられていない（正確には取ることができない）事になっています。

大手ゼネコンさんなどが工法の説明をHPなどで示されていますので、ご自身で調べてみてください。

No.30807 【A-2】

Re:不溶化・固化技術について

2009-01-06 14:53:17 K （ZWl6c9

セメントは有機物が多いと水和反応が起こりにくく、固まらないという現象が起きます。
少量のVOCだけでしたら特に問題はないと思います。


「VOCsによる汚染土壌への適用例が無い理由」ですが、固化・不溶化しなくても分解することができるためでしょう。
仮に固化・不溶化できたとしますと、VOCは土中から溶け出しにくくなっているだけで、残っていることには変わりありません。
分解してしまえば、土中に残っていないことになります。
残っているか残っていないかというのは全く違いますからね。