浚渫土の陸上埋立に関する規制について
登録日: 2008年10月17日 最終回答日:2008年10月22日 環境行政 法令/条例/条約
No.29936 2008-10-17 22:59:46 ZWl6b2b ふみ
港湾浚渫土を陸上埋立する際には、例えば土壌環境基準を満たしているかどうか確認する必要(義務)があるのでしょうか?
過去の質問では、陸上埋立する際には溶出試験をするような記述がありましたが、その根拠を調べ切れませんでした。
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=5979
環境基準は「維持することが望ましい基準」であって従う義務があるわけではない、と素人考えするのですが、どうなのでしょうか?
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No.29945 【A-1】
Re:浚渫土の陸上埋立に関する規制について
2008-10-19 16:06:58 おせんち (ZWlb24a
陸上処理では、有害物質全項目判定を要する汚泥として取り扱われる可能性があります。浚渫土の発生量にもよりますが、脱水を要するはずですから、産業廃棄物の汚泥脱水施設の設置許可が必要かも知れません。埋立処分量も含めて、莫大な経費が必要になります。これまで、脱水した港湾浚渫土を内陸の産業廃棄物埋立地に埋め立てるという事例は、あるのかも知れませんが聴いたことがありません。
浚渫土ならば、それの移動を認める類型海域もあります。また、海面埋立地内に船舶から投入する場合は、脱水の必要もありません。
適法な処理以上のより環境に好ましい適正処理を望むと、法律の基準、行政の指導基準、廃棄物処理業者の受け入れ自主基準、排出者の自主規制などが入り乱れて訳が分からなくなってしまいます。したがって、適法以上の処理をしようと考えている場合は、それぞれの場面で、どの基準が該当するのかをしっかりと意識しておいた方が良いと思います。
環境基準は、その趣旨からして規制的に用いるものではありません。しかし、廃棄物処理業者が自分の管理する埋立地に投棄させる場合に環境基準の数値を満足するようにと要求することは、違法ではありません。もちろん、排出者が環境基準の数値を目標にして処理をしようと考えることも可能です。
回答に対するお礼・補足
おせんち様
回答ありがとうございます。
浚渫土を産業廃棄物たる汚泥扱いするとすれば、あくまで行政指導の範疇ということですね。
確かに、浚渫土を陸上に単純に置き、泥水を垂れ流すなど環境被害を及ぼすような可能性のある行為は決して望ましいことではありません。脱水することになるとすれば、経費面での負担は大きくなってしまうのでしょう。
海洋汚染防止法の所管する範囲内で処分することが一番面倒がない、とはそのとおりです。ただ、漁業振興上の要請から付近海域で浚渫土の排出をしたくない等の理由で、費用を掛けても陸上でという判断もありなのかなと思います。
浚渫土を陸上に単純に置いて(又は埋め立てて)よいかどうか、また、廃棄物として扱うか否かは、その自治体の環境部局による個別判断ということになってしまうのでしょうか...。
No.29947 【A-2】
Re:浚渫土の陸上埋立に関する規制について
2008-10-19 21:43:30 EIC Q&A 改善 (ZWlb931
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=24192
で議論されています。
まず、
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律です。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8131
これは、
ロンドン条約(96年議定書)により改訂されました。
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=3297
港湾法(37条協議)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO218.html
環境影響評価法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H09/H09HO081.html
漁業法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S24/S24HO267.html
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32HO166.html
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO136.html
などの法律が考えらます。
土地取引条件が土壌汚染対策法の指定基準を満足することにれば、土壌汚染対策法の調査が必要になります。
しかし、現実は非常に難しい問題です。
また、環境法規制は行政が事業者を取り締まる事を前提として作られている事が多いようです。
浚渫場所は公有水面で、埋立場所も行政機関等が関与していますから、一般市民には真実が分かりません。
となると、公務員が虚偽又は不作為行為により国民に損害を与えた場合には国家賠償法第一条 「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO125.html
により損害賠償請求を行うことが可能になりますので、データの捏造や隠蔽等の違法行為や不作為型不法行為責任を実証することが必要かもしれません。
なお、不作為型不法行為による土壌汚染の時効は対策工事完了から20年であるとの裁定が下っています。
「川崎市における土壌汚染財産被害責任裁定申請事件の終結
(裁定)」
http://www.soumu.go.jp/kouchoi/substance/chosei/pdf/053/tokushu_53_2.pdf
真実はひとつです。
PS.この回答は削除も含めて訂正することになると思いますので、お礼欄に記入しないようにお願いします。
回答に対するお礼・補足
「EIC Q&A 改善」様
まずは、コメントありがとうございます。
「お礼欄に記入しないようにお願いします」とのことですが、記入を禁ずる根拠は無いものと思われましたので、書かせていただきます。:-)
既に「浚渫時の法的規制は」にて議論されていた、とのことでこれを再度見直しましたが、私の乏しい理解力の及ぶところではないようです。
また、法を列挙いただきましたが、そのうちのどの部分が適用されるのか分からず、解釈出来ないでおります。
もう少々端的に解釈をお示しいただければ大変ありがたいと思います。せっかく回答いただいたのに申し訳ございません。どうぞよろしくお願いいたします。
No.29948 【A-3】
Re:浚渫土の陸上埋立に関する規制について
2008-10-20 00:34:37 BATA (ZWl5461
>土地取引条件が土壌汚染対策法の指定基準を満足することにれば、土壌汚染対策法の調査が必要になります。
土壌汚染対策法が適用されるのは、有害物質使用特定施設の廃止時(第3条)か地下水を汚染させ、健康被害が生ずる恐れがあるとき(第4条)とされています。
浚渫土を陸上埋立される場合には特定施設ではありませんので、土壌汚染対策法は適用されません。
しかし、土地取引の条件に云々にあるとおり、契約行為の一つであれば、『土壌汚染対策法に準拠した調査』が必要となります。
さらに、他の法律に関する記述の多くは、「該当するものがあれば」適用される法律が列挙されており、その後の国家賠償法云々の記述は読み流しても良いのでは?
だって、工事に関係する人が免許証もないのに運転したら道路交通法で処罰されるとかと同じ話ですよ(苦笑)
そもそも、データの捏造や隠蔽が行われていたら、公務員でなくとも損害賠償の対象となるでしょう。(もちろん、被害者が告訴すればの話ですが)
陸上埋立された後の土地利用などを十分考慮しておくことが必要と思いますが、法的な義務はあるんでしょうかね。(環境基準値相当の基準値をもつ法的な根拠はないと思ってますが)
だからと言って、土壌環境基準値(≒土壌汚染対策法の指定基準値)を満足していなくても良いと言っているわけではありませんので、その点については誤解のないように。
回答に対するお礼・補足
BATA様
回答ありがとうございます。
法的義務があるわけではないが、土壌環境基準値準拠が望ましいということですね。
損害賠償等の有事の際には、参考値として上の基準値が引き合いに出されるのでしょうか。
こうしていくつかお答えを頂いて...規制値としての法的根拠は無い...ということでよいのでしょうか?
その自治体の環境部局は、「念のため」土壌環境基準値準拠を指導すれば免責されるかもしれず、土木部局はこれに従えば良いのかもしれないですが、何か無駄なことを強いられている気がしてならないのです。
何となく釈然としません...。
No.29977 【A-4】
Re:浚渫土の陸上埋立に関する規制について
2008-10-22 11:03:47 たる吉 (ZWl47e
>http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=24192
>で議論されています。
間違ってもこういうものは議論とは言わないでしょう。
本サイトの禁止事項のガイドラインで示されている『質問でない質問、回答でない回答、個人的なメッセージ』に該当するものです。
ご本人、日本語に不自由されているようなので、さらりと流してあげてください。
おおよそ方向性が見えているようで、蛇足になるかもしれません。
さて、実は似たような事例を調査したことがあります。(おせんちさまの回答の補足のような形になりますが・・・)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/11/110619_.html
おせんち様のおっしゃる海洋汚染防止法にかかる処理は、明確に基準を満たさなければ海洋投棄ができないとなっております。
(また、手続き自体は難しくないのですが、海上保安庁が関わることでちょっとやっかいです。)
1000字こえました。続きます。
No.29978 【A-5】
Re:浚渫土の陸上埋立に関する規制について
2008-10-22 11:04:46 たる吉 (ZWl47e
陸上処分を行う場合、
@廃棄物(相当)として取り扱う
A土砂として取り扱う
の2つのケースが考えられます。
@で処理する場合は、特別管理産業廃棄物である汚泥(全項目)に該当するかどうかという意味の溶出試験と思われます。
Aのケースで陸上処理を行う場合は、それが土砂であること(すなわち廃棄物でないこと)を担保しておく必要があると思われます。
いわゆる建設汚泥の判断基準となる含水率等は満足しているのか、それが土砂として処分ができるものなのか。
仮に残土捨場に捨てた場合、後々のリスクを誰が担保するのか…
「水底土砂が廃棄物で無い」というのは、運用上の方便(廃棄物としてはなじまない)であり、廃棄物に該当する可能性を否定しているわけでは無いようです。
また、地下水汚染が生じ健康被害が発生した場合の、水質汚濁防止法の無過失責任が、土壌汚染にも適用されるかどうかは、わかりませんが、各種法規制の基本に「汚染原因者負担の原則」があるようです。
『土壌として処理をする客観性』を確保した上で、『汚染原因者負担のリスク』を背負うのであれば、分析する必要性は無いでしょう。
田子の浦の水底土砂の処理について添付しておきます。(誰かが喜びそうで嫌なんですけどね)
これらが土壌として処理されたのか、廃棄物として処理されたのかははっきりわかりません。
http://www.recycle-solution.jp/shinki/dai3/07.html
回答に対するお礼・補足
たる吉様
ご回答ありがとうございます。
『汚染原因者負担のリスク』を背負うよりは、やはり分析により確認するべき、という結論に向かうことになるのですね。
No.29983 【A-6】
Re:浚渫土の陸上埋立に関する規制について
2008-10-22 22:17:30 BATA (ZWl5461
すると、受入処分場に入れることとなるわけですから、その受入基準は満足させる必要があります。
(これが土壌環境基準値相当か廃棄物の汚泥相当かは処分場によって変わります)
また、自治体によっては残土条例を定めている所がありますから、それに従う法的義務は存在します。
>その自治体の環境部局は、「念のため」土壌環境基準値準拠を指導すれば免責されるかもしれず、土木部局はこれに従えば良いのかもしれないですが、何か無駄なことを強いられている気がしてならないのです。
>何となく釈然としません...。
えっと、このご意見は誰が誰に対して無駄だと言われているのでしょうか?
法的義務がないとは言え、基準値を超過する可能性がある(ないことが証明できていない)ものを陸上に埋立し、それに伴い土壌汚染が発生した場合(さらに健康被害が発生した場合)行政が責任を問われるのではないですか?
もちろん、埋立を行った業者にも責任は発生するでしょう。仮に発注者である土木部局が指示をしなかったとしても・・・
ふみさんの立場が工事業者だと思いながら回答していますが、ふみさんの会社のリスクヘッジにもなるものです。
『絶対に汚染土壌ではない』との証明ができれば、無駄なことかもしれませんが・・・
回答に対するお礼・補足
BATA様
ご回答ありがとうございます。単純に気分で「無駄」と書いてしまいました。すみません。
リスクヘッジのためには必要なこととして考えるべきなのですね。納得いたしました。
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