一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境Q&A

企業の排出CO2の算出方法について 

登録日: 2008年07月31日 最終回答日:2008年08月06日 エコビジネス 環境報告書

No.28898 2008-07-31 03:46:10 ZWlb75b ECO受験生

はじめまして。大変簡単な質問かもしれないのですが、「企業(事業者)の排出するCO2」について、
どのように具体的にしてゆくのか手順が今ひとつ理解できません。
ぜひ初心者にもわかりやすい方法を伝授ください。

1.インプットの排出係数は、どこのデータを使うのがよいか?
2.インプット毎の計算方法(項目毎に違うのか?)
3.算出された数値が年度毎に違うため、社外公表の数値は皆
 違うのでしょうか?

以上、よろしくお願いいたします。

総件数 2 件  page 1/1   

No.28932 【A-1】

CO2排出量はなかなか奥が深くて

2008-08-03 16:31:01 todoroki (ZWl7727

企業(事業者)の排出するCO2について、
どのように具体的にしてゆくのか、
自動車会社、自動車部品会社を例にとると、
たとえばトヨタさんはこの中でP54に、
このように書いています。(先日7/31に出ました)
http://www.toyota.co.jp/jp/csr/report/08/download/pdf/sustainability_report08.pdf
ホンダさんはこの中でP50に、
このように書いています。(6月末に出ました)
http://www.honda.co.jp/environmental-report/2008/download/pdf/2008_report_full.pdf
各社とも「この排出係数が最適だ」と考え、
その出典を明示して使っています。
インプット毎の計算方法は、一次エネルギー(または電力)使用量を集計して、
それに排出係数をかけて算出しています。
最適とは、客観性,一般性,公平性,透明性 等を考えて、ということでしょう。

『算出された数値が年度毎に違うため、社外公表の数値は皆違うのでしょうか?』
ここがミソです。たとえば排出係数が大幅に増えた年は、
一次エネルギー(または電力)使用量を減らしてもCO2排出量が見かけ上増えてしまいます。
その逆もあります。
そうならないようにするためには、どうすればいいと思いますか?

回答に対するお礼・補足

todoroki様

ご丁寧な回答ありがとうございます。
参考にさせていただきました。

企業(事業者)の排出するCO2について、トヨタ様・ホンダ様のCSR報告書拝見しました。
さすがどちらも超一流企業ですので、すばらしいですね。

各社各々が「この排出係数が最適だ」と考えれば出典先を明記して、作成するのがいいのでしょうか。

私の勤務するのは、繊維メーカーなため、そもそもインプットする環境側面が少ない業種です。
そこで、CO2削減にむけてできることとは?

・使用する量を減らす(これは限界にきています)
・プラスの環境側面として製品にCO2の削減を求める(これしかない?)

しかし、ここではLCAを行わねばならず、正確な削減量(バージンを用いた場合と、そうでなくリサイクルした場合の差)
を求めるのは現在非常に困難です。(原油元から紡績・染色・整理・輸送など、川上から川下までの多大なる協力が不可欠なため)

しかし、代表的なアイテム(看板商品など)を用いて、LCAを行うしかないかなと…。
これには時間を要しますよね。

環境目標にCO2のものさしであらわすことが、現在の標準となってきているように感じます。

企業として環境貢献をあらわすのにCO2排出及び削減を数値でとしうのは、ますます困惑する状況です。

せめてガイドラインを国が提示していただけると、公平な数値で発表でき、かつ正しい環境表現が可能なのではないでしょうか?

また、『算出された数値が年度毎に違うため、社外公表の数値は皆違うのでしょうか?』
ここがミソです。たとえば排出係数が大幅に増えた年は、一次エネルギー(または電力)使用量を減らしてもCO2排出量が見かけ上増えてしまいます。
その逆もあります。
そうならないようにするためには、どうすればいいと思いますか?

ここって重要ですよね。
私も今ひとつガイドラインのようなものがないのでよくわかりませんが、
現時点の私の考えでは、社内では使用量の推移をみて、ある年の固定値にてCO2排出量を求めて、
社外資料には、使用量の明記と、年度ごとの移動係数を採用した数値にて公表でどうなんでしょうか?

No.28956 【A-2】

Re:企業の排出CO2の算出方法について

2008-08-06 20:56:34 todoroki (ZWl7727

『社内では使用量の推移をみて、
ある年の固定値にてCO2排出量を求めて、
社外資料には、使用量の明記と、
年度ごとの移動係数を採用した数値にて公表
でどうなんでしょうか? 』

→実はそうなんですね。
これも考え方によって、各社基準年が異なりますが、
ある会社は1990年、また別の会社は1995年、またある会社は2000年 など、
理由も思惑(?)もいろいろとあります。
またエネルギー毎の発熱量を基準にしている会社もあります。
比べてみてください。
LCAに関しては、難しいですが、やりがいがあると思います。
是非一度やってみて、結果を公表していただきたい
ものです。

PS
繊維業界さんで見ると、ユニチカさん,東レさんなどは、
ここ数年ポリ乳酸などの生分解性繊維素材を、
環境負荷低減の切り札にされているようですが、
実際のところはどうなのでしょうか?

回答に対するお礼・補足

todoroki様

いつもありがとうございます。
大変参考にさせていただいております。また、お礼が
遅れてしまいましたことお詫び申し上げます。

さて、社内では使用量の推移をみて、ある年の固定値にてCO2排出量を求めて、社外資料には、使用量の明記と、
年度ごとの移動係数を採用した数値にて公表しか現状は
道はないかと…。

また、早く業界ごとの一定の基準が必要ですね。
一部でははじまっているようですが…。

結局現在の状況では、おっしゃるとおり営業的な思惑が見え隠れします。
こんな状況では、これから一般的になるであろうカーボンフットプリントなどにも、企業の営業的な戦略がみえてくるでしょうし…。

環境にやさしいってなんだろう?と考えるようになっています。

発熱量基準にするとCO2排出基準と違ってどんなことがみえるのでしょうか?

結局エコリーフのように、厳格なLCAが必要となれば、
それを算出するためのコストは我々民間では大変なコストとなり、また協力が必要ですがなかなか前に進みません。

どういう方向性になってゆくのでしょうか?

われわれ繊維産業では、元々排出など環境影響については負荷が少ない業種ですので・・・。

「繊維業界ポリ乳酸などの生分解性繊維素材を、
環境負荷低減の切り札にされているようですが、
実際のところはどうなのでしょうか?」

このご質問については、また川上に問い合わせてみます。まだまだ勉強不足ですね。

その他皆様のご意見もぜひ教えていただけると幸いです。ありがとうございました。

総件数 2 件  page 1/1