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環境Q&A

全量分解 

登録日: 2008年02月14日 最終回答日:2008年02月16日 水・土壌環境 地下水/土壌汚染

No.26959 2008-02-14 06:44:04 ZWlae29 はと

過去ログでうまく検索できず,はじめて書き込ませていただきます
現在,大学4年で農学(主に土壌学)を学んでいますが,今年の卒論で少し悩んでいます.

卒論の主な内容は市から委託されたもの分析,考察するといった内容ですが,分析は溶出試験ではなく,全量分解を行っての分析です.分析物は市の

@下水処理場で発生した下水汚泥を嫌気発酵させ脱水した+ムギワラ を混合させたものの分析

A上記@を各農家に配布→農家の堆肥盤でさらに他の資材と混合され,完熟させた堆肥の分析

B上記Aを施肥している畑土壌の分析

です.

分解は全て土壌標準分析法に載っているフッ化水素酸分解を行い多量元素(Ca Na Mg K P) 微量元素(Fe Mn Zn Cu Ni)
の測定を行い.またHg Pb Cd As は他大学に委託.

お聴きしたいのは全量分解を行った際の下水汚泥,土壌,堆肥の汚染(多量,微量元素)の許容範囲または基準値が記載している文献,HP,過去ログがあったら是非ご教授おねがいしたいのです.

卒論書いてて基準値のことなど全く気にもせずやってたので,現在あせってます.
どなたか,お返事宜しくお願いします.

総件数 6 件  page 1/1   

No.26962 【A-1】

Re:全量分解

2008-02-14 09:36:07 なんちゃって計量士 (ZWl9549

>お聴きしたいのは全量分解を行った際の下水汚泥,土壌,堆肥の汚染(多量,微量元素)の許容範囲または基準値が記載している文献,HP,過去ログがあったら是非ご教授おねがいしたいのです.
>
 大学生さんとのことでまず言葉使いから。

 ご教授などはまともな人は使いません。

 公的な基準値がある場合には、必ず分析方法とセットになります。
 つまり分析方法が異なれば当然分析値が異なるのは当然です。環境分析ではこの試験法は原則として扱わないと思います。

 土壌分析法ですから、農林業に対する許容範囲は農協にでも聞けば出てくると思います。

回答に対するお礼・補足

どうも,ありがとうございます.これからもっと勉強します.

No.26966 【A-2】

Re:全量分解

2008-02-14 12:49:00 papa (ZWl998

下水汚泥を原料としているようでしたら、下記の書籍でほとんどの情報は得られると思います。
「下水汚泥分析方法−2007年版−」
「下水汚泥の農地・緑地利用マニュアル−2005年版−」
いずれも出版元は(社)日本下水道協会です。
http://www.jswa.jp/04_publication/01_tosho/gaiyou.html#odey-no-no

農林水産省関係も編集に参加されておりますので土壌に関する記載もかなりあります。
個人で購入するには価格が少し高いのですが、お住まいの自治体にある処理場又は近隣で試験設備を持っている処理場には常備されていると思いますので閲覧させてもらえばよいと思います。

前回答にもありますように、研究を計画される段階で必要情報を調査の上、着手されるよう指導するのが担当教官のつとめと思います。

回答に対するお礼・補足

わざわざ,ありがとうございます.
参考にさせてもらいます

No.26977 【A-3】

Re:全量分解

2008-02-14 23:09:51 EMBRYO (ZWl7f3a

汚泥肥料には公定規格があり、分析方法には肥料分析法を用います。
肥料取締法第三条及び第二十五条ただし書の規定に基づく普通肥料の公定規格
(昭和六十一年二月二十二日 農林水産省告示第二百八十四号)
十二 汚泥肥料等
http://www.kokuji.maff.go.jp/kokujituti/k_show.files/data_k.asp?fname=k0000977&uid=

回答に対するお礼・補足

返信おくれました.
ありがとうございます

No.26989 【A-4】

Re:全量分解

2008-02-15 23:50:51 たそがれ (ZWla61d

はと さんへ

皆さん良い回答をされていますが、大学生レベルではなかなか追いつけないのではないでしょうか。心中、お察しします。
分析は終えていますか。全量分析も簡単ではないですが今は触れないでおきます。

下水汚泥そのものは管理型処分場埋立てのための溶出基準があります。
乾燥したものを肥料登録する場合は汚泥肥料等の中の「下水汚泥肥料」になります。含有重金属の許容限度は下記の汚泥醗酵肥料と同じです。
各成分の値の実態はA-2でご紹介された書籍等が良いと思います。

試料@とAは肥料区分としては汚泥肥料等のうち、「汚泥醗酵肥料」にあたると思われます。A-3のリンク先(肥料取締法に基づき普通肥料の公定規格を定める等の件)で下の方にスクロールすると、Cd Pb Cr Ni Hg Asの含有量許容値が出ています。
農林水産消費安全技術センターのこのページ、
http://www.famic.go.jp/ffis/fert/sub1.html
からも公定規格と肥料分析法に行きつけます。
金属項目の前処理(有機物を含む物)を見ていただければわかるように全量分析まで行っていません。A-1 A-3でも言われております。

次に土壌ですが、これは結構全量分析値が文献等に載っているはずです。(微量有害重金属は後でご説明する底質調査方法の値になっているかも知れません。)
「日本土壌の有害金属汚染」(アグネ技術センター発行)等、またネットでも探せるかも知れません。
でも「日本の土壌ではPb 5〜500ppm」とか、かなりの幅で載っているはずです。

紙面の関係で次に続く

No.26990 【A-5】

Re:全量分解

2008-02-16 00:15:38 たそがれ (ZWla61d

A-4の続き

土壌の重金属等に関する基準
土壌の環境基準がありますが、溶出基準です。
農用地(田)について、含有試験及び基準値がありますが、Cd Cu 0.1M HCl As 1M HClで浸出した値を含有量としています。
土壌汚染対策法にもサイトの汚染判断基準として含有試験がありますがこれも全量分析ではなく、上記に近いやり方です。
全量分析に近い含有試験として、底質調査方法(主な金属は塩酸+硝酸分解)も広く行われています。

指導者の方と十分計画を練っているのでしょうから私などの意見はたわごとと受け止めていただきたいのですが・・・
土壌関連で全量分析の目的は、土壌の母材、粘土鉱物がどんな元素で構成されているかというベーシックな判断をするためにあるのだと思います。
施肥による重金属汚染を測るのでしたら、ケイ酸塩まで分解しない底質調査方法くらいでもよいのではないでしょうか。(Ca Mg等はこの方法にはありません。)

紙面の関係で次に続く

No.26991 【A-6】

Re:全量分解

2008-02-16 00:34:18 たそがれ (ZWla61d

A-5の続き

たぶん施肥区と対象区の畑で比較されるのでしょうが、Ca Mg K Zn Fe Mn等は土壌中にバックグラウンドとして大量に含まれています。含有試験では目的物質の値がそのバラツキの中に埋没してしまい、はっきりわからないかも知れません。

さらにもうひとつ、汚染の影響といっても、肥料成分について肥効という部分に重きを置くと・・・、農学部の方なら習ったと思いますが、
Ca Mg K 等の塩基は置換性として測るのがありましたよね。また、Pはトルオーグ法等の可給態のやり方も御検討ください。

質問の間口が広すぎると、ある部分だけ、あるいは全体に漠然とした回答になってしまう恐れがあります。
大変でしょうが、ひとつずつ質問された方が良いと思います。
聞かれれば、わかる範囲で回答いたします。

回答に対するお礼・補足

すいません.返信遅れました.大変,ご丁寧に書いてくださってほんとに有り難うございます.
これからも,何かありましたら,また書き込ませてもらいます.

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