環境Q&A

No.29 【A-1】

Re:「黄砂」の影響について

2001-04-16 16:23:46 ちしゃ （

>中国から日本を襲ってくるという「黄砂」の季節となりましたが、日常生活で自動車などによる粉塵公害とは違った影響があると思います。
>全国的にどうのような影響があるのか、誰か教えて下さい。
>


国立環境研究所では黄砂の観測を行っています。
大気圏環境研究領域のホームページ
「遠隔計測研究室」の情報をみてください。
http://www.nies.go.jp/atmos/index.html

国立環境研究所の
http://www-cger.nies.go.jp/cger-j/c-news/vol10-9/vol10-9-1.html
に
21世紀の地球環境を左右する中国の大気汚染の現状
佛教大学社会学部　溝口　次夫教授の論文が掲載されています。

これによると
「黄砂は毎年春先に日本へも飛来する。
日本で最も降下量の多い西、北九州地方で0.200〜0.500mg/m3が1時間最大値。
（中国大陸では、北京市では5日間平均値で1mg/m3、蘭州では約6mg/m3を記録）
一方で、黄砂は飛行途中で酸性雨の原因物質を吸着する効果があると言われており、
日本の場合は黄砂による直接の汚染と、黄砂による酸性雨の負荷の軽減とは相殺し
ているかも？という記述があります。

なお、国立環境研究所グループによる平成８〜１２年に実施した研究の概要報告も
http://www.nies.go.jp/seika/gaiyo/a25_2000/2-7-2.html
あり、酸性雨中和機構について説明されています。　

ただし、温暖化への影響も与えているといわれており、
その評価は一筋縄ではいかないようです。