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環境Q&A

脱窒に関して 

登録日: 2003年05月19日 最終回答日:2003年06月06日 水・土壌環境 水質汚濁

No.2398 2003-05-19 22:56:46 修史

脱窒にかんして試したのですが、なかなか下がってくれません。約500mg/LのT-Nを60以下に下げたいのですが、効率のいい脱窒方法をどなたか知っていませんか。

そもそも硝酸と亜硝酸を嫌気条件下で水素供与体を添加してやるといいと思っていたのですが、窒素ガスが生成するのに必要な条件なんてあるんですかね。

私自身もしかしたら水素供与体の濃度が低かったからかなとは思うんですが、一人では判断しかねまして、こうしてどなたかの御意見を参考にさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

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No.2405 【A-1】

Re:脱窒に関して

2003-05-20 10:47:28 バイキンマン(経験者)

>約500mg/LのT-Nを60以下に下げたいのですが、効率のいい脱窒方法をどなたか知っていませんか。

この程度の濃度なら実用的には生物学的脱窒で対応することが適当だと思います。

>そもそも硝酸と亜硝酸を嫌気条件下で水素供与体を添加してやるといいと思っていたのですが、窒素ガスが生成するのに必要な条件なんてあるんですかね。

あります

1 硝酸呼吸を利用する反応であるため、窒素の溶存形態が酸化態窒素であることが必要です。
2 アンモニア態、有機態窒素が原水に含まれる場合には生物学的に酸化態窒素とする必要がありますが、この際にアルカリ度の消費が大きいので反応槽のpH調整が必要となる場合があります。
3 硝酸呼吸による脱窒を行うための生物量(バイオマス)が負荷量に応じて必要となります。呼吸消費による反応であるため、必要なF/M比は水温などの影響を受けやすいので水素供与体を供給しても利用する生物量が適切でなければ脱窒となりません。
(バイオマスの保持方法についてはプラントメーカーの特許やノウハウによるものがありますので、プラントメーカーへお問い合わせください。)
4 生物反応にはpHの最適範囲があります。アルカリ度の消費や供給が含まれる反応ですので、すべての単位操作について確認することをおすすめします。
5 硝酸呼吸を行うのは好気性あるいは通性嫌気性細菌類です。反応が効率よく行われるために馴致(運転条件設定による自然淘汰)が必要です。
 


No.2548 【A-2】

Re:脱窒に関して

2003-06-06 09:42:40 茨城県 / 武蔵

 窒素除去法には種々な方法がありますが、質問の窒素負荷量から考えるとバイキンマン(経験者)が既に回答されているように生物学的窒素除去が対応しやすいと考えます。プロセスは前段の硝化反応と後段の脱窒反応からなる2段構成で行なわれる。前段は排水中のアンモニヤ性窒素を異化代謝により有機性窒素を硝化反応により亜硝酸、硝酸性窒素に酸化する。硝化細菌は炭酸ガスを唯一の炭素源として細胞合成を行なうのであるが、極めて増殖速度が低い。この速度を効率よく維持するには硝化細菌の固定化を長く維持する工夫が重要である。脱窒反応は硝化反応で硝化された排水を嫌気性条件下で脱窒細菌の硝酸、亜硝酸吸収を利用して最終的な窒素ガスに還元する。脱窒細菌は好気性、嫌気性でも増殖できる通性嫌気性細菌であり嫌気性条件では分子状酸素の代わりに硝酸、亜硝酸を水素受容体として吸収する。脱窒反応でpHは上昇するが、硝化反応進行にはアルカリ度が必須である。ご参考まで。

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