排水の微生物処理で見られる発泡現象について
登録日: 2007年07月27日 最終回答日:2007年07月31日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)
No.23921 2007-07-27 03:59:23 ES
排水生物処理実験を行っているのですが時々、発泡が見られます。
発泡が見られる時の状況としては、pHがアルカリサイド(pH8)になってしまった時や、排水中の薬品濃度が高くなり高負荷になった時です。
現状では、発泡がおきたら消泡剤を添加し、負荷を減らして様子をみています。発泡が起きた場合、消泡剤を添加する以外の方法は無いのでしょうか?
また、この泡の正体といいますか、どの様にして生成されているのか、要因となるものは何か、等ご存知の方がいらっしゃいましたら、是非ご教授願います。
勉強不足なところが多分にあり恐縮ですが、宜しくお願い致します。
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No.23922 【A-1】
Re:排水の微生物処理で見られる発泡現象について
2007-07-27 16:28:50 たろーめん (
(1)原水はなにか(都市下水、産業排水など)と、原水BOD、SSの濃度
(2)一日の処理水量
(3)処理方式(活性汚泥法など)
*以下は、活性汚泥法であればご教示ください。
(4)反応タンクの容量
(5)反応タンクに流入する排水のBOD、SSの濃度
(6)反応タンクの構造(完全混合、押し出し流れなど)
(7)反応タンクの使用方法(嫌気好気運転等の場合、完全混合であれば比率、押し出し流れであれば反応タンクの使用比率など)
(6)反応タンクの活性汚泥濃度
(7)返送汚泥濃度もしくは余剰汚泥濃度
(8)余剰汚泥引き抜き量
(9)設定等を変更されていれば、最後に変更した日
(10)泡の様子(泡に汚泥が付着し、表面が汚泥の色である、泡を別容器に汲んでしばらくすると消えるなど)
ご教示いただいたあとでお聞きする事項を追加すこともありますが、ご容赦いただきたいと存じます。
よろしくお願い申し上げます。
回答に対するお礼・補足
早速の書き込みありがとうございます。
質問するにあたり情報不足でしたね。申し訳ありませんでした。
(1)薬品を水に溶かした擬似排水、BODは測っていま せんが、TOC:1400ppm、MLSS:12000mg/L
(2)処理水量:6.6L/d
(3)浸漬膜を使った微生物処理
(4)反応槽の容量:16L (試験用に作成した水槽)
(5)原水のTOC:1400ppm
(6)反応槽の構造:押し出し
(7、8)水槽を使用した試験室レベルの試験なので 返送 はしていません。目安としてMLSS15000mg/L を超えた場合に汚泥を引き抜いています。
(9)7/9に負荷をあげました
(10)泡には汚泥が付着しており茶色い部分もあれ ば、白いところもあります。原水の供給を止めて も泡は発生しますが、他の容器に移したり曝気を 止めると消えます。また、負荷を下げて1週間ほ どすると発泡しなくなることもあります。
たろーめんさんの質問にあった答えが返せているでしょうか? ご迷惑をおかけしますが宜しくお願い致します。
No.23925 【A-2】
Re:排水の微生物処理で見られる発泡現象について
2007-07-27 22:08:53 papa (
「下水道維持管理指針」前編・後編
「下水試験方法」上巻・下巻
http://www.jswa.jp/04_publication/01_tosho/gaiyou.html#iji
いずれも(社)日本下水道協会から出版されてます。
お住まいの都市の処理場には常備されていると思いますので見せてもらえばいかがでしょうか。
回答に対するお礼・補足
ありがとうございます。
排水処理に関する本も数多くあるので、どのようなものを買えば良いか悩んでいるところでした。
参考にさせて頂きます。ありがとうございました。
No.23937 【A-3】
Re:発泡現象について、別の観点から
2007-07-28 19:02:24 レス (
>
これものすごく単純な原理です。界面の状態が
泡立ち易い状態になっているだけですから。
生物処理の場合、多くは生物により作られる多糖類が界面活性作用を持つ場合が多いのですがそれはおいておいて、コントロールする場合には『pHがアルカリサイド(pH8)になってしまった時や、排水中の薬品濃度が高くなり高負荷になった時』と原因に付随する状態が分かっているならば、その状態にならないようにすれば良いだけと考えられる方が、実験そのものを単純化するのでよいのではないかと思います。
余り発泡のことを考えると、実験目的が発散するとお考え下さい。
水処理そのものに関しては『papa』さんが出られているので、補足出来るようなことはございません。
回答に対するお礼・補足
書き込みありがとうございます。
確かに発泡は排水処理を行ううえで発生する問題のひとつであり、あまり重視するようなな出来事ではないですね。
ただ、この発泡現象の仕組みが理解出来れば処理方法を考えていくうえで、有用ではないかと考えていました。
ご意見を参考にさせて頂きます。ありがとうございます。
No.23955 【A-4】
Re:排水の微生物処理で見られる発泡現象について
2007-07-30 11:19:39 たろーめん (
さて、ご質問の情報とご教示いただいた情報から推測いたしますと、発泡現象は生物による処理不良に伴うものもしくは薬品によるものと推測されます。
papa様ご紹介の図書中にも記載があるのですが、下水処理での発泡にはいくつかあり、それぞれ原因があります。代表的なのが界面活性剤によるものと、微生物の分泌する高級脂肪酸によるものです。これらにより形成された気泡は非常に破壊されにいとともに消滅しにくく、「他の容器に移したり曝気を止め」ても消えません。
ところが、ES様が経験されている現象は「他の容器に移したり曝気を止めると消える」ことからこれらのどちらにも該当いたしません。
活性汚泥のような微生物は、フロック等を形成するときに水酸化物を生成して相互に架橋してくといわれております。さらには、排水の主成分が溶解性の有機物である場合にはいわゆる都市下水を処理する活性汚泥に比べて粘性の高い活性汚泥が形成される傾向があるようです。そして、その現象から類推するにES様ご質問の内容は溶解性成分が非常に多いことに起因する発泡と考えられます。これは「負荷を下げて1週間ほどすると発泡しなくなることも」あることからも理解ができます。
一方pHの推移ですが、生物処理を経た上でアルカリに傾くことは非常に考えにくく(有機性窒素の還元や脱窒ではアルカリ度が生成しますが)、「負荷を上げる」を「薬品添加量を増加する」と同義であるとさせていただくならば、使用薬品の添加に伴うpH上昇とそれに伴う発泡と推測されます。
つきましては追加として次の内容をご教示いただきたく、よろしくお願い申し上げます。
(11)擬似排水に使用されている原料薬品
(12)原料薬品の添加量とpHの関係
ちなみに、ご回答いただいた処理方式ですが、いわゆる膜分離活性汚泥法もしくはその類似の方法でしょうか(邪推ゆえ、はずしておりましたらなにとぞご容赦ください)?お差し支えなければあわせてご教示ください。
よろしくご検討ください。
回答に対するお礼・補足
回答を頂きましてありがとうございます。
早速ですが、
(11)使用している薬品は有機溶剤(プロパノール、メタノール等)です。
(12)薬品の割り合いは0.1%〜0.5%です。原水のpHはおおよそ7前後のものと、pH10〜12のものとあります。
また、処理方式ですがたろーめんさんのご推察通り膜分離活性汚泥法です。
宜しくお願い致します。
No.23959 【A-5】
Re:排水の微生物処理で見られる発泡現象について
2007-07-30 15:12:19 レス (
>
お間違えいただきたくないのは『あまり重視するようなな出来事』ではなく、逆に重要な出来事の一つです。私が申し上げたいのは重要が故に貴方の研究目的が見えないために、本来の目的から外れることもあるのではと思った次第です。
泡だけで幾つも報告書書くだけの内容があると思っています。
>ただ、この発泡現象の仕組みが理解出来れば処理方法を考えていくうえで、有用ではないかと考えていました。>
>
上記同様、有用な部分であることは間違いないと思います。
根本原理は簡単、ただし作用する機構は腐るほどある。そんなことを申し上げたかっただけです。
回答状況では、廃水の発泡に詳しい方が出られたようなので、ここいらで遠慮させていただきます。
回答に対するお礼・補足
お返事ありがとうございます。
私の書き方が悪かったため誤解を与えてしまい申し訳ありません。
本当に言いたかったことは、ご指摘の通り発泡現象は決して無視できない重要な現象ですが、それに固執しては本来の研究目的と研究が変わってしまいますので、その1点ばかりを深く追求しすぎるのも良くないですね、とゆうことです。
丁寧なご指摘ありがとうございました。
No.23974 【A-6】
Re:排水の微生物処理で見られる発泡現象について
2007-07-31 08:42:00 たろーめん (
処理方法の件、返送汚泥がないことと、活性汚泥の固液分離に沈殿池を使用していないとお見受けいたしましたので確認させていただきました。ありがとうございました。
さて原水の薬品等の情報ありがとうございました。原料に有機溶媒をご使用との事と、pHが7前後と10〜12の二種類あるということで逆に質問させていただきたいのですが、擬似排水は純水(もしくは水道水)に記述いただいた有機溶媒を所定濃度で混合してあると推察いたします。そしていずれも濃度が0.1%〜0.5%と非常に希薄な溶液であるにもかかわらず、pHに大きな開きがあるので混乱しております。このように開きがあるのは何か原因(pH調整を行っている等)があるのでしょうか?それとも生物処理の結果なのでしょうか?大変申し訳有りませんが、ご教示いただきたく、よろしくお願い申し上げます。
回答に対するお礼・補足
回答有難うございます。
前回お答えした薬品ですが、あれは使用しているものの一部で薬品によっては酸性のものとアルカリのものとあります。pHに開きがあるのはそのためだと考えています。
処理槽内はpH6.5〜7.0に設定しています。
説明不足で申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。
No.23982 【A-7】
Re:排水の微生物処理で見られる発泡現象について
2007-07-31 12:33:13 たろーめん (
ここまでご教示いただいた情報のみから推察いたしますと、pHの急激な変動、負荷の急激な変動に伴う処理不良による発泡であると判断いたします。
発泡させないように運転するのであれば、負荷に応じた固形物量を反応タンク内に確保する必要があります。すなわち、いまよりも高い負荷を注入するのであれば今よりも多い固形物量が必要になります。
ただし、固形物量を多くすると負荷の低い状態で自己酸化等が促進されますので、嫌気の割合を増やすなどの調整が必要となります。
よろしくご検討ください。
回答に対するお礼・補足
ご指導ありがとうございます。
早速教えて頂いたことを参考に研究を進めたいと思います。
お忙しい中お付き合い頂きありがとうございました。
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