PCB分析方法について
登録日: 2007年06月07日 最終回答日:2007年06月08日 水・土壌環境 その他(水・土壌環境)
No.22829 2007-06-07 06:49:58 分析を正したい
PCB分析についてご意見をお聞かせ下さい。
ある分析機関では
1.検水400ml(?なぜ)をヘキサン-アセトンで抽出した後に5mlまで濃縮
2.5mlヘキサン液に濃硫酸(10%発煙硫酸)を添加し混合、7時間以上置く。
3.ヘキサン層を濃縮管に移し、2mlまで濃縮した後に、KOH溶液(0.1M)を添加し混合した後、ヘキサン層をGC-ECDで分析している。
以上の手順で分析していますが、この方法もありなのでしょうか?
私は、2.の段階でWakogel S-1で精製しています。
硫酸処理は油の分析で有効と聞きますが、排水でも必要でしょうか?
WatersのSepPakが良いとの意見もありますがいかがでしょうか?
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No.22836 【A-1】
Re:PCB分析方法について
2007-06-08 11:01:41 iti-mei (
>1.検水400ml(?なぜ)
昭和46年環境省告示第59号付表3の分析方法では、定量限界値を0.0005mg/Lとしているので、この値をクリアできる試料量の最低量を検水量としているのではないかと思われます。
標準と試料のGC-ECDへの注入量や最終的な定容量にもよりますが・・・
>ヘキサン-アセトンで抽出
アセトンは、懸濁物が非常に多い場合に有効であるのでサンプルの状況により加える必要は無いと思われます。
おそらく、手順を統一するために加えているものと思われます。
>2.5mlヘキサン液に濃硫酸(10%発煙硫酸)を添加し混合、7時間以上置く。
排水及び環境水中には、多くの有機物が含まれます。そうした有機物を分解するのに、硫酸処理は有効です。しかし、炭素数の多い(経験では、C10以上の有機物は分解が非常にしにくいです←ある排水をGC/MSで分析してみた結果)有機物には効果が低いようです。
また、環境中及び分析室内中に存在している、フタル酸エステル類を分解するのに有効です。
>3.ヘキサン層を濃縮管に移し、2mlまで濃縮した後に、KOH溶液(0.1M)を添加し混合した後、ヘキサン層をGC-ECDで分析している。
KOH溶液は加えた後還流し、けん化を行うために加えるものだと思っていましたが、この方法で効果が出るのか疑問です。
さらに、水洗、脱水操作がない様なので、GCや分析カラム、検出器への負荷が心配です。
No.22837 【A-2】
Re:PCB分析方法について-2
2007-06-08 11:07:13 iti-mei (
先ほどの続きです。
>以上の手順で分析していますが、この方法もありなのでしょうか?
おそらく、その分析機関では、この方法で模擬試料での添加回収試験や繰り返し試験を行ったり、抽出時に使用する試薬購入費やカラムの充填剤購入代やECDの洗浄にかかる費用等を総合的に考慮した手順であると思いますので、一概に間違えているとは言い切れません。
>私は、2.の段階でWakogel S-1で精製しています。
当方でも、2.の段階終了後にS-1で精製し、濃縮後、定容して分析しています。
KOH溶液でのけん化操作は、含有成分としてPCBを分析するときに行っています。
>硫酸処理は油の分析で有効と聞きますが、排水でも必要でしょうか?
必ず必要ということはないですが、先にも述べましたが、有機物(低塩素側のピークとかぶるものやフタル酸エステル類)を分解するには、有効な手段だと信じております。
>WatersのSepPakが良いとの意見もありますがいかがでしょうか?
SepPakとは、シリカカートリッジのことでしょうか?
しっかりとした試験をしたことがないので、何とも言えませんが、2〜300mg程度の量で、妨害物とPCBを分離するのは難しい場合があるのではないかと思います。
回答に対するお礼・補足
ご指導ありがとうございます。
私のほうでは、2.の作業の後にWakogel S-1(2〜5g)で精製し濃縮後、定量して分析しています。
質問の方法に関する分析について、大きな疑問としてあったのが
硫酸処理とKOH処理を併設し効果があるのか?
脱水処理をしないでGC-ECDに問題はないものか?
だった点です。やはり最終的には、カラム精製を使用して濃縮の方が良いのでは?というのが私の意見ですた・・・・。
SepPakについては、Waters社のシルカゲルカートリッジのことで、使われている分析機関がありましたので、S-1に換えられるものかと思いました。
(カラムについて別途質問させていただきます。)
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