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環境Q&A

重金属分析を行う際の前処理方法(水質) 

登録日: 2006年09月14日 最終回答日:2006年10月03日 水・土壌環境 水質汚濁

No.18550 2006-09-14 09:23:03 こっひー

硝酸と過塩素酸で水の前処理を行う際に、過塩素酸を完全に飛ばさなければ駄目なのでしょうか?実際にこの方法で分解している方がいれば教えてほしいのですが。

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No.18569 【A-1】

Re:重金属分析を行う際の前処理方法(水質)

2006-09-15 23:22:53 柳樹

こんにちは。
過塩素酸を残した状態の検水を分析することは可能です。
ただし、正確性は落ちるものとお考え下さい。

私は上記のような検水をICP発光の同軸ネブライザー、
超音波ネブライザーで分析したことがあります。

超音波ネブライザーでは霧化効率が相当下がりますので、
超音波ネブライザーを使う意味が無くなってしまいました。

同軸ネブライザーでは、過塩素酸の残り方で霧化状況が
異なりますので、内標は必須でしたし、標準液にも
過塩素酸を入れる必要があります。

ただ、加熱を行った過塩素酸と、未処理の過塩素酸は
粘性が異なるのか、加熱で残った液量と同量の過塩素
酸を標準液に加えても内標強度が異なりました。

酸分解においては、どのサンプルでも過塩素酸が
同量残るように処理すべきなのでしょうが、現実には
同じにすることは不可能でしょう。

これでは正確性が低いと思いましたので、
実際の測定に適用することはやめました。

また、過塩素酸蒸気をICPの排気ダクトに通すことに
なりますので、傷みが早くなります。
私は排気ダクトから茶色い液体が垂れてきた経験があります。
過塩素酸の影響だけではないかもしれませんが。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございました。すごく参考になりました。やはり過塩素酸の影響はありますよね。僕はJIS0102に従って分析をおこなっているのですが、過塩素酸の影響について詳しく記載されていません。自分の経験としてしかわからないので、どう改善していくべきなのかわからないです。(具体的にどんな前処理を行うべきなのか)これからの課題にしていきたいので、またご相談させてください。よろしくお願いします。

No.18793 【A-2】

Re:重金属分析を行う際の前処理方法(水質)

2006-10-03 09:47:49 火鼠

>過塩素酸は、温度を上げれば金属分解には、かなり有効な酸ですが、爆発の危険もあります。また、温度をあげなければ,分解は進まないのはご存知ですか?過塩素酸白煙の還流状態まで持ってゆく。不十分な分解状態で、乾固させると爆発しますから、かなり経験を積んでから使用したほうがいいとおもいます。ICP,AA分析では、過塩素酸や、硫酸は粘性が高いので噴霧条件が変わりますので、十分な検討が必要です。又,金属によっては、気化してなくなってしまうもののありますよ。過塩素酸5mlと汚泥5gの分解で,ドラフトが1台バラバラになりますから。必要性を十分考えて使われたほうがいいと思います。

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