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環境Q&A

リンの除去率の低下 

登録日: 2006年08月03日 最終回答日:2006年08月13日 水・土壌環境 水質汚濁

No.17795 2006-08-03 05:43:53 かぐや

下水処理に於ける冬季のリン除去率が低下します。どんな原因が考えられますか?またどのような対策が有りますか?御指導下さい。

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No.17797 【A-1】

Re:リンの除去率の低下

2006-08-03 20:51:43 クマムシ

>下水処理に於ける冬季のリン除去率が低下します。どんな原因が考えられますか?またどのような対策が有りますか?御指導下さい。

どのような処理形式でリン除去を行っているのか、処理プロセスを詳しく教えてください。

回答に対するお礼・補足

嫌気槽(但し貯槽が小さく滞留時間2時間程度ですから実際は混合槽)+ODです。返送汚泥は嫌気槽とODへ1/2ずつ戻しています。

No.17911 【A-2】

Re:リンの除去率の低下

2006-08-11 13:18:17 クマムシ

>>嫌気槽(但し貯槽が小さく滞留時間2時間程度ですから実際は混合槽)+ODです。返送汚泥は嫌気槽とODへ1/2ずつ戻しています。

生物学的リン除去ですね。この処理形式は、私は経験がないので詳しく解りませんが、リン除去のプロセスは、一般的な嫌気・好気法と同じだと思われます。

冬期は、水温が低下しますから微生物活性も低下します。それを補うために、余剰汚泥の引き抜き量を減らしMLSSを高くして運転していると思われます。
生物学的リン除去は、標準法よりも多く菌体に取り込まれているリンを、余剰汚泥として引き抜くことで、リンの除去をしているわけですから、余剰汚泥の引き抜き量が減少すれば、それだけリンの除去効率は低下するはずです。
その他にも、低水温対応の運転が、嫌気槽のORPを押し上げている可能性もあります。

もう一度、リン除去が良い季節の運転条件と、リン除去の悪い冬の運転条件を、詳しく検討してみる必要が有ると思います。

回答に対するお礼・補足

ありがとう御座います。
大変申し訳無いのですが、最初の質問時に冬期と夏期を誤って表記しておりました。深くお詫び致します。私もクマムシさんの回答の様な原因で冬場に除去率が低下すると思いきや、現実は夏場の方が悪くなっています。原因が解らないので対処も解りません。ORPは通期でのデータは未だ有りませんが、現状は曝気槽で-80〜+50mv位で日々変化しております。嫌気槽でも-150mv程度です。

No.17923 【A-3】

Re:リンの除去率の低下

2006-08-11 20:48:59 クマムシ

>>現実は夏場の方が悪くなっています。
>>嫌気槽でも-150mv程度です。

教科書的な解釈では、硝化の進みにより、嫌気槽への硝酸態窒素の流入が多くなることで、リン除去率が低下しているか、または、雨(梅雨や夕立や台風)の影響ということになりそうですが、私には、それ以上のことは解りません。

回答に対するお礼・補足

ご丁寧にありがとう御座います。いろいろ試してみます。

No.17939 【A-4】

Re:リンの除去率の低下

2006-08-13 12:09:02 papa

>下水処理に於ける冬季(夏期)のリン除去率が低下します。どんな原因が考えられますか?またどのような対策が有りますか?御指導下さい。

夏期は最終沈殿池に汚泥界面が形成されると、りんの吐き出しによりりん濃度が上昇することがあります。最終沈殿池越流水とOD内混合液濾過水(SV上澄水ろ過水でも可)の濃度を比較してみるとわかります。
嫌気槽滞留時間的には十分と思います。
ORPだけを指標とすることにはあまり意味がありません。私のところでは、負荷率ほぼ90%程度の標準法ですが、嫌気槽ORPは夏期-50mv程度、冬期+100mv程度で通年にわたりりん除去率は90〜95%程度で運転しています。指針には-100mv程度となっています。実際に運転してみると好気槽との差が100mv程度あれば絶対値にはあまり依存しないように見受けられます。

よくある可能性は汚泥系からの返流水です。夏期には余剰汚泥が嫌気化しやすく濃縮や脱水工程からの返流水りん、BOD負荷量が上昇します。水処理で除去しても場内でぐるぐるまわしになるので、結果として放流水のりん濃度は上昇します。ふだんから場内のBOD、りん収支を把握しておくことはきわめて重要、不可欠です。
下記の回答を参考にしてください。
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=16660

もうひとつ、返流水負荷のBODの影響があります。
返流水のBODが上昇すると、嫌気槽のORPは低下しますが、りんの吐き出しと有機物のとりこみのバランスがくずれてしまいます。これを防止するには、夏期には濃縮工程の滞留時間を限りなく短縮して汚泥の腐敗を最小限にすることが必要です。重力濃縮なら、低濃度投入、低界面維持、脱水機貯留槽のレベル調整、槽数削減は必須条件です。

OD処理場で脱りん運転をおこなっているほどのハイレベルの技術をお持ちなら、以上の対策は容易に実行できると思います。


回答に対するお礼・補足

ありがとう御座います。早速出来る事からやっていきます。文中の資料も大変参考になりました。

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