スチールナットにおけるRoHS対応について

No.17596 2006-07-24 09:55:21 グリーンデイ

今月から施工されたRoHS指令に対応するためのスチールナットについての化学物質含有量を調査しています。
どのメーカーのスチールナットもRoHS指令の閾値以上の鉛を含んでおり、RoHS対応とうたわれているスチールナットも同様です。
メーカーに問い合わせたところめっき部分において六価クロムから三価クロムに変更したことでRoHS対応としているようです。
しかし実際には閾値以上の鉛を含有しており、本当にRoHS対応と言えるのか分かりません。

このようなナットをRoHS対応と言うことができるのでしょうか？
また、鉛を含まないスチールナットというものは存在するのでしょうか？

宜しくお願い致します。

No.17597 【A-1】

Re:スチールナットにおけるRoHS対応について

2006-07-24 11:41:48 kei （

詳しいことは知らないのですが、合金には除外項目が設定されていると思います。この閾値を越えているなら対応品ではないと思いますよ。

回答に対するお礼･補足

kei様
早急なご回答ありがとうございます。
除外品では無い様ですしやはり対応品とは言えないですね。
鉛フリーのスチールナットは現在無いようですがそうするとスチールナットを使用しているものは全てRoHS対応ではないということになるのでしょうか・・・
難しいです。

No.17614 【A-2】

Re:スチールナットにおけるRoHS対応について

2006-07-25 11:38:35 加工屋 （

除外品目として
「合金成分として、鋼材に含まれる0.35wt％までの鉛」
という項目がありますので、鉛の量が0.35wt％以下ならば、RoHS対応品ということになると思いますが。

回答に対するお礼･補足

加工屋様
ご回答ありがとうございます。
0.35wt％=3500ppmということですね。
私が購入しているナット販売店が30000ppmの鉛を含有していながらRoHS対応であると言っているのは間違いのようです。

No.17643 【A-3】

Re:スチールナットにおけるRoHS対応について 1

2006-07-26 21:02:56 ESA （

論点を適当に分けて記載します。

1.スチール
スチール(鋼)で鉛含有というと材質で快削鋼(SUM)が最初に思い浮かびました。物によりますが鉛含有率は0.10～0.35%だったと思います。
スチールというだけでは抽象的で分りませんので、材質をきちんと調べることが必要です。
ちなみにスチール(鋼)で単純に思い浮かんだのは、次の様なものがあります。
SUSも快削ステンレス鋼なら鉛を添加(SUMと同じくらい)することがあったと思います。
鋼は他にもあるので、確実とは言えません。
SUM　硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材　free cutting carbon steels
SS　一般構造用圧延鋼材　rolled steel for general structure
SPCC　冷間圧延鋼板及び鋼帯　cold rolled carbon steel ant strip
S○○C　機械構造用炭素鋼鋼材　carbon steels for machine structural use　○○には数字が入ります。
SC　炭素鋼鋳鋼品　carbon steel castings
SUS　ステンレス鋼　stainless steel

2.めっき(表面処理)
表面処理で鉛含有というと無電解ニッケルめっき(Ni-P)しか思い浮かびません。鉛含有率は忘れました。
しかし、6価クロムを3価クロムに変更したということは、Ni-Pではないかもしれません。
亜鉛めっきの光沢クロメート(MFZn*,B)、黄色クロメート(MFZn*,C)、亜鉛めっきではないダクロ塗装(DF1)かもしれませんが、これらは6価クロム含有であり、鉛は無かったと思います。
これも表面処理をきちんと調べることが必要です。

3.RoHS指令(2002/95/EC)
RoHS指令では、鉛と6価クロムは0.1%以下(閾値)にしなければなりません。
しかし、全てにおいてこれを守らせるのは技術的に困難なので付属文書(ANNEX)があります。
付属文書の一つに｢合金成分として鋼材に含まれる鉛は0.35wt%までは良い｣という内容があったと思います。(A-2の加工屋さんと同じです)

No.17644 【A-4】

Re:スチールナットにおけるRoHS対応について

2006-07-26 21:06:25 ESA （

続きです。

4.推測
ここからは推測ですが、メーカーが言いたいことは、ナットはSUM(?)とめっきで構成されている。
SUMは鉛を最大0.35%でRoHS指令の基本的な閾値(0.1%)は超えるが、付属文書の鋼(0.35%までは良い)に該当するので、RoHs指令に対応している。
めっきは、鉛を使用していなかった。しかし、6価クロムを使用していたが、3価クロムに変更したので、RoHS指令に対応している。
だから、ナットはRoHS指令に対応した製品です。
ということが言いたいのではないでしょうか?

※メーカーが鋼中の鉛含有率の基準を0.34%で製造すると品質の揺らぎにより、0.35%を超える可能性があるので、注意が必要と思います。

5.その他
> 鉛フリーのスチールナットは現在無いようですがそうするとスチールナットを使用しているものは全てRoHS対応ではないということになるのでしょうか・・・

SUSのナットがあったと思いますが、調べましたか？　また、SUMでも鉛が入ってないのもあります。ナットに採用されているは、知りません。
スチールの適用範囲が異なるのか、調査不足なのか？

> 私が購入しているナット販売店が30000ppmの鉛を含有していながらRoHS対応であると言っているのは間違いのようです。

鋼で鉛含有率3%(30,000ppm)というのは、あまり聞いたことが無いのですが(私の勉強不足)、材質をJIS記号(SUM、SUS等、大手だとJISではなく独自の記号になるかも)で教えていただけませんか？
もしかして鋼ではなく真鍮ではありませんか？

最後に責任逃れの言い訳を・・・
1.～3.は資料ではなく、記憶に基づいてますので、自分できちんと調べて裏づけを取ってください。
資料は、自分でJISを見る。また、メーカーからのミルシートorMSDSを取り寄せて下さい。RoHS指令は原文をリンクしておきますので参考にして下さい。
4.は完全に推測です。私はナット、というか金属、めっき業界の人ではありません。

質問内容は現状を正確に調べてからの方が、レスポンスが早いと思います。
質問者が大変お困りであり、かつ、混乱している感じがしましたので、助けになればと思い回答しました。無責任(最後に責任逃れをした)な回答で不愉快に思われた方にはお詫びします。
長文失礼しました。

リンク:http://ec.europa.eu/environment/waste/weee_index.htm

回答に対するお礼･補足

ESA様

かなり詳しい回答をしていただきありがとうございます。
>4.についてですが私もESA様と同様に考えています。現在メーカーに確認中です。

>5.についてですがスチールという言葉の使い方を間違えていました。
以前RSオンラインでRoHS対応ナットを検索するとステンレス、ナイロン、チタンナット製のナットが該当し、スチールナットは未対応及び調査中となっていたのでこういう使い方をしてしまいました。

>鋼で鉛含有率3%(30,000ppm)というのは、あまり聞いたことが無いのですが(私の勉強不足)、材質をJIS記号(SUM、SUS等、大手だとJISではなく独自の記号になるかも)で教えていただけませんか？
もしかして鋼ではなく真鍮ではありませんか？

おっしゃるとおり鋼ではなく真鍮でした、調査不足で申し訳ありません。
中国のメーカーとやりとりしているため説明しにくいのですが、もう1度確認します。

私の言いたいことを整理します。
1．まず弊社で購入しているナットの化学物質含有量調査をメーカーに依頼しました。
２．メーカーの回答によるとナットはRoHS対応です。
３．実際に含有量データを確認すると鉛を30000ppm含有しています。
４．これはどういうことか再度メーカーに確認するがRoHS対応であるという回答しかかえって来ません。
５．こんなことが有り得るのかを調査しています。

今までの調査をまとめるとどう考えてもおかしいとしか思えないのですが私だけでは判断出来なかったためこの掲示板に書き込みさせていただきました。
大変参考になる回答を頂きまことに感謝しています。

No.17728 【A-5】

Re:スチールナットにおけるRoHS対応について

2006-07-31 17:58:19 isisan （

真鍮であれば銅合金ですから，鉛３％品はＲｏＨＳ対応品です。
銅合金は４％までＯＫですからね。
快削黄銅はもともと鉛を構成成分として含みます。

回答に対するお礼･補足

>isisan様
その通りですね!
RoHSの原文を調べましたがちゃんと記載されていました。
これで解決しました。
どうもありがとうございます。

No.17742 【A-6】

Re:スチールナットにおけるRoHS対応について

2006-08-01 13:24:02 kei （

真鍮は鉛以外にもカドミウムも含まれています。
メーカーがRoHS対応と言うのであればカドミレス材を使用していると思いますがミルシートを取り寄せて確認したほうが良いと思いますよ。

回答に対するお礼･補足

kei様
ご回答ありがとうございます。
データを確認したところカドミウムや六価クロムにおいては大丈夫でした。

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