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環境Q&A

投入汚泥の腐敗について 

登録日: 2006年06月15日 最終回答日:2006年06月16日 水・土壌環境 水質汚濁

No.16978 2006-06-15 06:51:59 どろどろ君

はじめまして 下水処理場の汚泥処理担当になってはじめての夏を迎えます。 最近、投入汚泥のPHが低下しはじめています。濃縮汚泥が6.5以上あることから濃縮以降で腐敗が進んでいると考えています。が、私には腐敗といってもどこからが腐敗なのか分かりません。脱水ろ液のBODも少しずつ上昇しています。(450mg/l前後です)どこからが腐敗なのでしょうか?教えてください 

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No.16997 【A-1】

Re:投入汚泥の腐敗について

2006-06-16 21:49:49 papa

先輩や近くの処理場と情報交換ができないのは残念な状況ですね。
初心者に必要なことは維持管理指針に書いてありますのでよく読んでください。下水道事業団研修センターの研修に参加するのもいいと思います。
ところで、初心者がpHだけで状況把握するのには相当な困難があります。夏期には硝化が進んで脱離液のpH低下が起こることもあるし、腐敗による有機酸生成によりpH低下が起こることもありますが、極端な場合を除きその差はわずかで、よほどの熟練者でないと判別は困難かと思います。
処理機能全体を把握することなしに、pHで処理を判別する、ORPで・・、透視度で・・、においで・・と蘊蓄を披露する人もいますが、汚泥処理ではまず処理場全体のマテリアルフロー(SS収支、BOD収支)を正確に把握して、現在の状況はどうなってるのかを知ることが必要です。少なくとも1年以上は継続的にデータを取る必要があります。汚泥処理担当を配置できる規模の処理場なら当然そういったデータは把握しているはずです。
下水は処理場で揚水する前からすでに腐敗ははじまっており、水処理から引き抜かれた後の時間経過と共に腐敗は進行しているので、どこから腐敗がはじまっているかと尋ねられれば、「利用者が排除した時点から」との回答になります。程度の差というところでしょうか。
腐敗による返流水負荷をゼロにすることは不可能ですので、どこまでが許容できるかの判断になります。
腐敗により生成する溶解性BODは糸状性細菌の基質となりやすく、処理障害の大きな原因となっています。また、返流負荷が大きくなると送気倍率が上昇して動力コストが高くなります。
返流負荷が流入負荷の10%以下であればあまり問題にはならないと思います。
腐敗による処理障害低減手法としては
汚水ポンプ井の低水位運転
生汚泥の低濃度引き抜き
濃タン低界面維持
汚泥受槽・貯留槽の滞留時間短縮(槽数、発停液位の調整)
などが維持管理指針にあります。
高効率遠心脱水機があれば、腐敗防止のために機械濃縮をバイパスして混合濃縮を行い、低濃度高流量で脱水しても目標含水率を達成することが可能です。

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