一般財団法人環境イノベーション情報機構
リン酸の定量。海水中。
登録日: 2006年04月14日 最終回答日:2006年04月16日 水・土壌環境 水質汚濁
No.16107 2006-04-14 02:12:40 迷い犬
自分で調製した人工海水を用いて海水中のリン酸をモリブデンブルー法で定量しようとしたところ、検量線がうまくいきませんでした。というのは、スタンダードを0ppm〜1ppmを0.2間隔で作り、0ppmでの吸光値をゼロに設定しました。ところが検水を測った所、吸光値がマイナスになってしまいました。人工海水は35‰で設定しています。海水は塩分濃度で発色が少し強くなるという文献は読んだ事があります。今回の検水は前日の雨と採水ポイントの都合で塩分濃度が下がっていたかもしれないとも考えています。そこで質問さしてください。
海水のリンを測定するときは塩分濃度を測定して、その塩分濃度に見合ったスタンダード用の塩化ナトリウム水溶液もしくは人工海水のようなものを利用しなければならないのでしょうか??たとえば汽水のリンを分析するときはどうするのでしょうか?
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No.16138 【A-1】
Re:リン酸の定量。海水中。
2006-04-16 00:46:08 筑波山麓 (
>海水は塩分濃度で発色が少し強くなるという文献は読んだ事があります。今回の検水は前日の雨と採水ポイントの都合で塩分濃度が下がっていたかもしれないとも考えています。
ということですが、ここまで分かっているのなら、今回の検水の塩分濃度を測定されましたか。また、その文献を再確認されましたか。
海洋観測指針には(私の持っている本は少し古いですが)、標準原液の希釈用塩化ナトリウムとして、海水の塩素量が17.5‰(人工海水35‰に相当)より小さいときには、これを薄めて試水の塩素量(k‰)に近い塩化ナトリウム水溶液を作り、K±1‰の範囲に調節するとあります。
また、試水と標準液のりん酸の発色条件は同一にしましたか。りん酸の発色は、塩分濃度よりも試水温度により大きく影響されます。たとえば、試水温が30℃、標準液の水温が20℃のときは、試水の測定値は7.5%高い値を与えます。したがって、試水の水温が標準液の水温よりも低ければマイナスになります。水温の調節は重要です。
以上ですが、日常的に分析を行っていると、ともすれば、前提条件(ここでは、塩分濃度の測定、試水と標準液の条件を同一にするなど)を忘れがちですが、分析操作は、すべて、これらの条件が満たされて初めて正しい測定値を得られるのだということを意識して仕事をされることが重要です。
回答に対するお礼・補足
ご回答ありがとうございます。前提条件についてあまりしりませんでした。後になって考えてみても原因はあまり分からないのですが、これからは筑波山麓さんのアドバイスを意識して分析させていただきたいと思います。ありがとうございます。
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