一般財団法人環境イノベーション情報機構
品質保証の考え方を踏まえた新保安検査実施要領書策定へ 保安院が方針示す
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2004.10.13 【情報源】原子力安全・保安院/2004.10.12 発表
原子力安全・保安院は平成16年6月に8原発・9核燃料サイクル関連施設で実施した特別検査指導官による現地指導の結果を踏まえ、同院としての今後の取り組み方針を16年10月12日に公表した。特別検査指導官には保安院のシニア検査官の中から院長が指名した6名が就任しており、検査官に対する現地指導や検査官と事業者のコミュニケーション支援を行うことになっている。
今回の現地指導では、保安検査への立会い、検査官とのミーティング、事業者との懇談を行ったが、保安院によると、保安規定に品質保証(注1)の考え方が導入されてからはじめての現地指導であったため、事業者から「保安検査の中で保安規定違反の判断基準や規定の運用についての情報が不足している」との指摘が数多くあったという。
このため、保安院では品質保証の観点を踏まえ、保安規定違反の判断基準を明確に示す新たな保安検査実施要領書を将来的に策定する方針を決定。ただし当分の間は保安検査時の事業者の保安規定遵守状況についての判断についての事例集を整理し、情報共有を図るとした。
また、品質保証確認手法の円滑な導入と原子力保安検査官事務所間での検査方法平準化が必要との認識から、16年度第2回保安検査以降実用発電炉を対象に、他の原子力保安検査官事務所の検査官も参加可能な「モデル保安検査(注2)」を継続実施することにし、各地の検査官の参加を促すとした。さらにモデル保安検査では品質保証について経験豊富な中途採用者を積極的に活用するとの方針も示している。
(注1)体系的に整備された組織・文書に基づき、計画的に事業の運営・管理を行い、安定的に高い品質の製品・サービスを提供しようとする取組み。【原子力安全・保安院】