神栖町の井戸水汚染問題　健康被害救済事業対象者が９２名に

　茨城県神栖町内の井戸水の中から高濃度の有機ヒ素化合物ジフェニルアルシン酸が検出され、周辺住民に手足のしびれなどの健康被害が発生している件で、環境省は平成１５年１１月１２日付けで新たに７人を健康被害救済事業の対象者として認めることにした。
　救済事業の対象となるのは、申請者のうち飲用井戸水、爪、毛髪などからジフェニルアルシン酸が検出された者。対象者として認められた人に対しては、健康診査の実施、医療費の自己負担分と療養手当の給付が行われる。
　１１月１２日までに２８４人が申請を行い、うち今回の７人を含む９２人が救済事業の対象者として認められている。
　なおジフェニルアルシン酸は戦後製造されていない化学物質。汚染があった地域の周辺には第二次世界大戦中に旧日本軍の中央研究所と航空隊の神之池飛行場が設置されていたことがあり、これらの施設との関連が推測されている。【環境省】