一般財団法人環境イノベーション情報機構
ヒートアイランド、問題地区への対策実施で周辺地区の気温も低下
【環境一般 まちづくり】 【掲載日】2003.08.08 【情報源】環境省/2003.08.07 発表
環境省は「ヒートアイランド対策検討委員会」での検討結果を「ヒートアイランド現象による環境影響に関する調査報告」としてまとめ、平成15年8月7日付けで公表した。ヒートアイランドは、クーラーなどによる排熱の増加、コンクリ−トなど乾いた素材での地面の被覆、温度調節機能を持つ緑地の喪失など複合的要因によってもたらされる都市部の気温上昇現象。
今回の報告書では、東京の周辺都市(横浜、熊谷、宇都宮、銚子)のここ100年間の日最低気温が2℃前後上昇しているのに対し、東京・大手町の気温上昇はその2倍の4℃に達していることを報告。関東平野の都市の最低気温が上昇する中でも、特に都心部の上昇が顕著になっていると指摘した。
またヒートアイランド対策を検討するために、東京23区内をモデル地域として都市環境気候図を作成し対策を検討すべき地区を抽出したほか、緑化や人工排熱の削減により、夏の熱帯夜の削減と昼間の高温化緩和がどの程度達成度できるかシミュレーション予測を行った。
なおシミュレーションの中で、熱帯夜対策上重要な「住宅密集地区」、昼間の人工排熱が多い「業務系高容積地区」、住宅・業務両地区の特徴を持った「混合密集地区」の3地域全域で省エネ、植樹、屋上緑化などの対策を進めた場合の試算では、13時時点の気温が最大0.3%低下した上、対策を施さなかった地区にも気温低下効果が見られるとの予測結果が出、問題のある地区の熱環境を集中的に改善することにより、周辺地区の改善も期待できると指摘されている。【環境省】