一般財団法人環境イノベーション情報機構
船舶からの汚水排出を規制へ 海洋汚染防止法の施行令・施行規則改正案に対し意見募集開始
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2003.07.15 【情報源】国土交通省/2003.07.14 発表
国土交通省は海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(海洋汚染防止法)の施行令と施行規則の改正案を公表し、この案について2003年8月4日まで意見募集を行うことにした。今回の改正は船舶からの汚水による汚染防止規則を定めた海洋汚染防止条約1978年議定書(MARPOL73/78条約)の附属書4が発効要件を満たし2003年9月27日に発効することに伴い、これに対応する国内法令を整備することが目的。
航行する海域に応じて、(1)汚水排出を規制する対象船舶の規模、規制される汚水の内容、汚水を排出できる海域、排出方法についての規定を設けているほか、(2)ふん尿などの排出防止設備についての技術上の基準、(3)排出防止設備を設置しなければならない船舶に必要な検査を規定した。
ただし海洋汚染防止条約附属書4については、2000年3月に開催された国際海事機関(IMO)第44回海洋環境保護委員会で、航行する海域の範囲、対象船舶の規模、汚水を排出できる海域などの規制内容を緩和した決議(MEPC88(44))が実質的な改正内容として採択されているが、条約そのものが発効前であることにより改正されず、条約と決議がそれぞれ存在しているという複雑な事情がある。
このため今回の改正案でも海域の範囲、対象船舶の規模、汚水を排出できる海域などの具体的な数値については条約と決議の2種類の規定を併記する形をとっている。
条約の発効にあわせ、海洋汚染防止法施行令・施行規則の改正も2003年9月27日を予定している。【国土交通省】