一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界自然遺産推薦候補は知床、小笠原諸島、琉球諸島の3地域に
【環境一般 その他(環境一般)】 【掲載日】2003.05.28 【情報源】林野庁/2003.05.26 発表
環境省と林野庁が設置した「世界自然遺産候補地に関する検討会」は平成15年5月26日に座長の記者会見を行ない、検討会として知床(北海道)、小笠原諸島(東京都)、琉球諸島(鹿児島、沖縄県)の3か所を最終的に推薦候補として絞り込んだと発表した。この検討会では、富士山(山梨県・静岡県)や、世界有数の多雪地帯である飯豊(いいで)・朝日連峰(山形県、新潟県、福島県)をはじめ、全国19か所について世界遺産の自然遺産登録基準への合致度という観点で評価を実施した。
その結果、富士山はごみやし尿の管理体制の不備や規制地域の狭さ、飯豊・朝日連峰はすでに登録されている白神山地との共通点が多いことなどが問題点として指摘され、最終候補とはされなかった。
なお候補にあげられた地点のうち、知床は流氷が育む海洋生態系と原始性の高い陸域生態系の特徴的な相互関係やシマフクロウなどの絶滅危惧種が生息地している点、小笠原諸島は多くの固有種・希少種が生息する特異な島嶼生態系が形成されている点、琉球諸島は多様で固有性の高い亜熱帯生態系や珊瑚礁生態系、優れた陸上・海中景観、絶滅危惧種の生息地である点が評価されたもの。
ただしこの3地域についても、管理計画の不備や自然保護上重要な地域の一部に未規制地域があるなどの課題が残っており、検討会は「直ちに世界遺産候補地として推薦できる状況にはない」と結論。環境省や林野庁などの関係省庁が引き続きこの3地域について調整・検討を行う予定だ。【林野庁】