一般財団法人環境イノベーション情報機構
川辺川利水訴訟での農民側勝訴判決受け、河川局長がダムの必要性訴えるコメント
【環境行政 その他(環境行政)】 【掲載日】2003.05.26 【情報源】国土交通省/2003.05.19 発表
平成15年5月17日に出た「川辺川利水訴訟」の控訴審判決について、農林水産省側は15年5月19日までに上告断念を決め、農民の逆転勝訴が確定した。この訴訟は熊本県に建設予定の川辺川ダムからかんがい用水を引く国営土地改良事業で、農民側が変更計画への同意のとりかたが不当だったとして国を訴えていたものだが、判決は「事業実施に必要な対象農家の3分の2以上の同意が揃っていない」として農民らの主張を支持する内容。
なおこの訴訟で農民側の勝訴が確定したことにより、関連する川辺川ダムの建設についても影響が出る見込みが高まった。
これに対しダム建設の主務官庁である国土交通省は5月19日中に「川辺川ダムが球磨川流域の2市7町4村の約12万人の生命、財産を守るために必要な事業であるとの考えに変わりはない」との河川局長のコメントを発表。事業の必要性を訴えた。
川辺川ダムは、水量調整や農業用水供給を目的に、熊本県南部を流れる球磨川右支川の川辺川に建設予定のダム。工事実施基本計画は1966年に策定されたが、水没世帯が多いことから計画当初から反対運動が展開されている。また、球磨川は日本三急流の一つに数えられる清流で、周辺地域にはクマタカなどの猛禽類をはじめ、貴重な動物が生息している。【国土交通省】