一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界経済フォーラム、気候変動に伴う健康リスクは2050年までに1.5兆ドルの生産性損失をもたらすと報告
【エコビジネス 環境と経済】 【掲載日】2025.10.07 【情報源】/2025.09.18 発表
世界経済フォーラム(WEF)は、2050年までに食料・農業、建築環境、健康・医療の分野で気候変動に伴う健康リスクが少なくとも1.5兆ドルの生産性損失をもたらす可能性があるとする報告書を発表した。同報告書は気候変動の影響が特に大きい4つの経済分野(上記3分野と保険分野)における健康影響を評価した。
食料・農業分野では7,400億ドルの生産性損失が発生して食料安全保障が脅かされ、建築環境分野では5,700億ドル、健康・医療分野では2,000億ドルの生産性損失が見込まれる。
保険分野では保険金請求が急増の見通し。
報告書は企業に対し、適応コストが管理不能になる前に従業員の健康保護、事業継続性の構築、生産性確保に向け直ちに行動するよう求めている。
一方、気候健康適応に早期投資する企業は、リスク軽減だけでなく、新興市場のニーズを満たしつつイノベーションと成長の新たな機会を創出できると報告書は指摘。
また、世界的に健康レジリエンスへ移行するには、支援政策、相互運用可能なデータシステム、革新的資金調達が不可欠としている。
【世界経済フォーラム】