一般財団法人環境イノベーション情報機構
「OECD-FAO農業見通し2025-2034」、農業生産性向上と排出削減の重要性を指摘
【環境行政 その他(環境行政)】 【掲載日】2025.07.30 【情報源】/2025.07.15 発表
経済協力開発機構(OECD)と国連食糧農業機関(FAO)は、今後10年の農水産物市場の見通しについて、排出削減と最貧困層の食料安定供給に着目し分析した。その主な予測結果は、
・世界の畜産・水産物の1人当たりの摂取カロリーは今後10年で6%増加。低中所得国で動物性食品の1人当たりの1日平均摂取量が364 kcalに急増するが、低所得国は143 kcalで格差が続く。
・世界の農水産物生産は、主に中所得国の生産性向上により2034年までに約14%増加。食肉や乳製品、卵の生産は17%増となるが、家畜数は7%増。農業のGHG直接排出量は6%増で、炭素強度が低下。
・栄養不足と農業のGHG排出を削減するには、農業生産性向上の取組拡大が必要。排出削減技術(精密農業、家畜飼料の改善、輪作・間作等)及び15%の生産性向上による食料生産拡大に投資すれば、世界の栄養不足を根絶させ、農業のGHG直接排出量を7%削減できる。
・総カロリー量の22%が国際取引されるため、多国間協力とルールに基づく農業貿易システムが重要。
【国連食糧農業機関】