一般財団法人環境イノベーション情報機構
イギリス、生態系と人間の健康を汚染する鉛弾薬禁止法案を決定
【環境行政 法令/条例/条約】 【掲載日】2025.07.29 【情報源】/2025.07.10 発表
イギリス環境・食糧・農村地域省(DEFRA)は、環境と健康に有害な鉛製弾薬を禁止するため、化学物質の登録・評価・認可・制限に関する規則(UK REACH)の改正案を決定した。議会の承認後、発効する。法案では、3年の移行期間後、鉛を1%以上含む散弾と3%以上含む弾丸の使用・販売が禁止される。
軍・警察・競技選手・リスク管理対策済の屋外射撃場・博物館の収集品その他限定的な使用は規制を免除される。
この規制により、環境中に放出される有害な鉛は年7,000トン減少する。現在はガン、ハクチョウ、シギチドリ類など年10万羽近くの野禽が鉛汚染により死亡している。
イギリス安全衛生庁によると、現状のまま使用が続くと、今後数十年間に少なくとも100万羽がリスクにさらされるという。
近年、代替となる鉄・タングステン製などの非鉛弾は命中率も高く、入手も容易になった。政府は、今後とも業界の移行に協力する。
2024年12月、安全衛生庁は、銃弾中鉛の供給と野外使用に関する制限案の最終意見をまとめており、今回の法案はこれに基づく。
【イギリス環境・食糧・農村地域省】