一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画等、健全な食料システムへの転換を阻む3つの障壁を指摘
【環境一般 その他(環境一般)】 【掲載日】2025.07.17 【情報源】国連/2025.07.01 発表
国連環境計画(UNEP)とチャタム・ハウスは、健全な食料システムへの転換に向け、その中核を担うアグリビジネスの持続可能な移行推進を求める報告書を公表した。現在、世界で8億人以上が飢餓に直面する一方、食料の約30%が収穫から消費に至るまでに浪費されている。
世界の食料システムは、気候変動、自然消失、汚染にも寄与しており、その隠れた環境・健康コストは最大20兆ドルに及ぶ可能性があるという。
報告書では、持続可能な食料システムの達成を阻む固定化した3つの障壁を指摘。
・より安価な食料パラダイム:食料の生産・購入は安価であるべきという規範。
・市場集中:大手企業によって変化や競争、破壊的イノベーションが抑制される。
・投資経路依存:長年、効率・販売向上が重視され、大手企業が支配する種子や農薬等への農家の依存度を高めている。
長期的な環境・健康コストを反映した基準や税制の改革が急務であり、有害な補助金の廃止、公的研究開発への投資拡大、透明性の要件、健全な土壌保護や排出削減に対する奨励措置などが必要だという。
【国連環境計画】