一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、気候変動が食品のカビ毒汚染への曝露リスクを高めていると報告
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2025.03.26 【情報源】/2025.03.10 発表
欧州環境庁(EEA)は、欧州の気温・湿度上昇によるカビ毒(マイコトキシン)の曝露リスク増加に関するブリーフィングを公表した。カビ毒は、食品や飼料、穀物に発生する真菌が産生する毒素で、重大な健康リスク(ホルモン攪乱、免疫力低下、がん発症等)をもたらす。
主な曝露経路は、汚染された食品(特に穀物、パン・パスタ等の製品)や農業排水により汚染された飲み水で、欧州ヒト・バイオモニタリング・プロジェクト(HBM4EU)によると、欧州の成人人口の14%が健康に有害なレベルのデオキシニバレノール(カビ毒の一種)に曝露しているという。
気候変動は真菌の行動や分布を変化させ、毒素への曝露リスクを高める可能性がある。
穀物は、極端気象現象(豪雨、長期干ばつ等)によるストレスで真菌感染に弱くなり収量が減少、経済的損失、殺菌剤の使用拡大につながる。
汚染削減には、人間・動物・環境の健康の複雑な相互関連性を認識し措置を講じるワンヘルス・アプローチが役立つとし、EEAは真菌感染に強い作物育種や輪作など様々な対策を示した。
【欧州環境庁】