一般財団法人環境イノベーション情報機構
国際エネルギー機関、原子力発電がエネルギー供給で重要な役割を果たすうえでの課題等を分析
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2025.02.03 【情報源】/2025.01.16 発表
国際エネルギー機関(IEA)は、報告書「原子力エネルギーの新時代への道筋」を公表した。これによると、世界的に電力需要が急増するなか、原子力エネルギーはエネルギー安全保障の強化や排出削減に寄与しうる電源として新時代を迎える可能性がある。投資の増加や技術革新、支援政策の広がり(40ヶ国以上)を追い風に、2025年の原子力発電容量は過去最高水準に達する見通しである。特に小型モジュール炉(SMR)は投資先として関心が高まっている。
一方、原子力産業が真に再活性化するうえで克服すべき課題もある。特に、先進国では近年、大規模原子炉の建設で遅延やコスト超過が起きている。
また、燃料のウランの生産や濃縮が一部の国に集中しているリスクに鑑み、サプライチェーンの多様化も必要である。
さらに、原子力発電が急成長するには 2030年 までに年間投資額を 1,200億ドル に倍増しなければならず、公的資金のみに頼ることはできない。
民間資本を誘致するため、各国政府は安定的な規制の枠組みや戦略的ビジョンを用意する必要があるという。
【国際エネルギー機関】