一般財団法人環境イノベーション情報機構
IPBES、生物多様性損失を食い止める社会変革が急務と報告
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2025.01.14 【情報源】/2024.12.18 発表
生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)は、生物多様性の損失を食い止め、好転させて地球上の生命を守るには、人と自然との関わりを、見方や考え方、制度的構造、慣行の面で根本的に変化させることが急務だと警鐘を鳴らした(注1)。今すぐ行動を起こせば、持続可能な経済アプローチを通じて大きな商機やイノベーションの好機も生まれるが(注2)、行動を10年でも遅らせれば、コストが倍増すると指摘する。
IPBESは、生物多様性損失の根本的要因として、人間が自然から切り離され自然や他人に支配的であること、権力や富が不公平に集中していること、短期の個人的及び物質的利益が優先されていることを挙げる。
そして、根本的変化を推進するうえでの4原則を示し(公平と正義、多元性と包摂性、尊重と互恵ある人間と自然との関係、適応型の学びや行動)、国や人々ができることとして5つの主な戦略と関連する行動を提示した。
あらゆる人や組織に役割があると訴え、連携することが効果的だと説明している。
(注1)IPBESが公表した「生物多様性の損失の根本的要因、変革の決定要因及び生物多様性2050ビジョン達成のためのオプションに関するテーマ別評価報告書」の政策決定者向け要約(SPM)のなかで報告したもの。
(注2)試算では、今すぐ行動を起こせば、2030年までに全世界で10兆ドル超のビジネスチャンスを生み、3億9,500万件の雇用を支えることができる。
【生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム】