一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界気象機関、2023年の大気中温室効果ガス濃度は過去最高を更新と発表
【地球環境 その他(地球環境)】 【掲載日】2024.11.14 【情報源】/2024.10.28 発表
世界気象機関(WMO)は、「温室効果ガス年報」第20号を発表し、2023年 の世界の温室効果ガス(GHG)濃度は、2022年 の過去最高記録を塗り替えたと報告した。大気中の平均濃度はCO2が 420.0ppm(工業化以前の 151%)、メタン(CH4)が 1,934ppb(同265%)、亜酸化窒素(N2O)が336.9ppb(同125%)だという。
CO2濃度は 2022年 から 2.3ppm 上昇しており、上昇幅が 2ppm を超えるのは 12年 連続である。
年報の論点は次のとおり。
・CO2濃度は 2004年 からの 20年間 で 11.4% 上昇した。
・乾燥や森林火災等によるCO2排出と陸域の炭素吸収効率の低下が濃度上昇に拍車をかけた(エルニーニョ現象が発生した年の傾向)。
・CO2は大気中に非常に長く留まるため、排出実質ゼロが急ぎ達成されたとしても高い気温は数十年続く。
・炭素吸収源(森林など)の効力は、自然現象などにより年ごとにかなり変動する。
・気候−炭素循環フィードバック(注)についての理解を深める必要がある。
(注)WMOのバレット副事務局長は、「森林火災によって大気に放出されるCO2が増え、水温が上昇した海ではCO2の吸収量が少なくなり、この結果より多くのCO2が大気中に留まり温暖化を加速させる、という恐れがある。こうした気候−炭素循環フィードバックは人間社会にとって重大な懸念事項だ」と述べている。
【世界気象機関】