一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、生物多様性に配慮した農業のあり方を報告
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2024.11.07 【情報源】/2024.10.22 発表
欧州環境庁(EEA)は、生物多様性に配慮した農業のあり方を示す報告書「欧州の農業生態系再生への解決策」を発表した。報告書は、多くの研究から実例をあげ、次のような解決策を示す。
1)作物残渣による土壌被覆や休閑、輪作などによる自然への負荷低減
2)多様性に富んだ景観の一部としての農地形成
3)泥炭地の再湿地化や農林複合経営など半自然生息環境の維持・再生
このような生物多様性に配慮した営農は、農業の持続可能性と気候変動へのレジリエンス(強靭性)を高め、農家・生態系双方に、さらに食料安全保障の観点からも望ましい結果をもたらすという。
報告書は、EU各国は共通農業政策(CAP)のもとで生物多様性に配慮した農業の支援に取り組んでいるが不十分であるとして、適切な財政支出による誘導策の整理と強化を提言している。
このたびの報告の背景には、2030年までにEU海陸面積の20%以上の再生、2050年までに再生の必要な生態系すべての再生を目標とする自然再生法(2024年成立)がある。
【欧州環境庁】