一般財団法人環境イノベーション情報機構
ITER設置時の安全規制の方向性案への意見結果を公表
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2003.03.14 【情報源】文部科学省/2003.03.13 発表
文部科学省は平成14年12月26日から15年1月27日まで、ITER(イーター:国際熱核融合実験炉)が日本国内に設置された場合の安全規制の方向性について示した、「ITERの安全確保についての中間とりまとめ案」、「ITERに関する安全設計・安全評価の基本方針案」、「ITERに関する技術基準案」、「ITERに関する詳細設計の確認の範囲・項目及び検査の範囲・項目案」に対する意見募集を行っていたが、15年3月13日付けで寄せられた意見の内容とこれに対する同省としての考え方をまとめ、公表した。ITERは重水素やトリチウム(三重水素)といった軽い元素の混合ガスを1億度以上の超高温のプラズマ(原子核から電子が離れる)状態にし、原子核を衝突させる核融合反応でエネルギーを発生させるトカマク型熱核融合実験装置のこと。二酸化炭素の発生が少ないエネルギー源として注目されている。
中間とりまとめ案は、ITER設置の際に考慮すべき主な安全要件などをまとめていた。
なお今回の公表内容によると、募集期間中に2人の人から複数項目にわたる案に対する詳細な意見が寄せられた。
意見には例えば「二酸化炭素の発生が少ないというが、建設時や建築材料輸送時の排出量は計算しているのか」といったものがあり、これに対して文部科学省では「建設時・解体時のCO2発生量を含めて計算した場合、ITERの排出量は1キロワット時の電力量あたり22〜44グラムであるが、石油火力発電所は建設時・解体時だけで1キロワット時あたり44グラム排出があり、さらに石油を燃焼させる際に発生するCO21キロワット時あたり689グラムを加えると、総合的な排出量はITERの17〜33倍の733グラムにのぼる」と回答している。
また意見で指摘されたわかりにくい表現については、必要と判断された数か所が修正された。【文部科学省】