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環境ニュース[国内]

六ケ所村の使用済燃料受入れ・貯蔵施設と再処理施設本体 更に新たなトラブル可能性箇所が判明

エネルギー 原子力】 【掲載日】2003.03.13 【情報源】原子力安全・保安院/2003.03.11 発表

 日本原燃(株)は青森県六ケ所村の同社使用済燃料受入れ・貯蔵施設で起こった加圧水型軽水炉(PWR)の燃料貯蔵プール水漏水トラブルへの対応状況についての報告書を平成15年3月11日付けで原子力安全・保安院に提出した。
 日本原燃の使用済燃料受入れ・貯蔵施設内のPWR燃料用貯蔵プールは、平成13年7月以降、5か月以上にわたって漏水が確認され、調査の結果、プール底部の溶接部分で寸法不足の内張り金属板を継ぎ足し部材で補い、その表層だけ溶接するような不適切な施工が行われていたことが原因であることが判明している。
 今回報告されたのは、使用済燃料受入れ・貯蔵施設内や再処理施設本体内のトラブル箇所と同じ内張り金属板をもつ設備に対する、計画外の溶接部の有無を確認する自主点検の進捗状況、平成15年2月に新たに漏水が確認された燃料送出しピットの調査状況について。
 このうち使用済燃料受入れ・貯蔵施設内での点検では、全溶接線延長の約57%の詳細表面点検を終了した3月1日の時点で、不適切な施工が行われた可能性がある不自然なグラインダ痕(痕跡を残さないよう研磨した跡)753か所を確認。うち44か所で溶接箇所に多く含まれるフェライト(磁性体)量を測定したところ、13か所に問題があった。また鏡面仕上げを施しているため視覚によるグラインダ痕確認ができない喫水部では、1242の対象溶接箇所中185か所のフェライト量測定を完了し、うち6か所が異常だった。
 一方、再処理施設本体の貯槽25基への調査でも、3月7日までにグラインダ痕1412か所を確認し、うち520か所でフェライト量測定を終了した。再処理施設本体貯槽で問題があったのは41か所だという。
 なお平成15年2月に新たに漏水が確認された燃料送出しピットでは、漏えい箇所は長さ約2.7ミリ、幅約0.4ミリの傷であることを特定している。
 日本原燃では今後、使用済燃料受入れ・貯蔵施設内、再処理施設本体とも問題のある箇所の詳細調査、補修の必要性の有無などを総合的に評価していく方針。 なお原子力安全・保安院は、これらの点検が確実に実施されることを確認するため、検査官を派遣し、点検作業に立会わせる予定。【原子力安全・保安院】

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