一般財団法人環境イノベーション情報機構
日本郵船、アンモニア燃料供給船の基本設計承認(AiP)を取得
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2022.10.24 【情報源】企業/2022.09.28 発表
日本郵船は、開発中のアンモニア燃料供給船(ABV)について、9月27日に一般財団法人日本海事協会(ClassNK)から基本設計承認(AiP)を取得した。ClassNKから海運会社単独でABVのAiPを取得する事例は国内初となる。同社グループでは、外航海運事業におけるGHG排出量削減の長期目標を「2050年までのネット・ゼロエミッション達成」と定め、環境負荷の低いアンモニアや水素などの舶用燃料を使用するゼロエミッション船の投入を目指し開発を進めている。今回AiPを取得した。ABVは、2020年代後半からの普及が予想されているアンモニア燃料船への燃料補給船として使用予定。
ClassNKのAiP取得に必要な各種図面作成は、同社工務グループ内に2021年10月1日付で新設した。プロジェクトエンジニアリングチーム(PET)が担当した。PETでは、これまで造船所などで作成されていた設計図面を独自で作成し、かつ、通常は造船契約後の詳細設計段階に行われる、図面と紐づいた3Dモデルの作成を初期段階のコンセプト設計で導入する先進的な手法を用いた。これにより、AiP承認の際のアンモニアによる危険場所や脱出経路に関するリスクアセスメント(HAZID)において、より深い議論を実現し、アンモニアの毒性等に対して十分な安全対策を織り込んだ仕様を考案する事が可能となった。なお、同3Dモデルは、ClassNKにおけるAiPの図面承認過程において初めてその一部が2D図面の代替として使用され、開発プロジェクトにおける3Dモデルの役割を大幅に拡大させた。同社は、今後も更にコンセプト開発や、建造、船舶管理へ適用を広げる事で、3Dデータの活用機会を最大化することを目指す、としている。
【日本郵船株式会社】