一般財団法人環境イノベーション情報機構
商船三井、航行中に常時回収可能な新型マイクロプラスチック回収装置を試験搭載
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2022.08.16 【情報源】企業/2022.07.05 発表
株式会社商船三井と三浦工業株式会社は、これまで共同で取り組んできたマイクロプラスチック(MP)回収装置の技術と知見を活かし、航行中に常時回収可能な新型の遠心分離式MP回収装置を開発した。同装置を商船三井が運航する自動車船”EMERALD ACE(エメラルド エース)”に2022年6月より試験的に搭載した。【MP回収装置の開発背景およびこれまでの活動実績】
海洋汚染の要因の一つとなっているMPを回収するため、これまで両社では、船舶のバラスト水処理装置を構成する逆洗機能付きフィルタに捕集されたMPの捕捉を荷揚げ時に行う回収装置を開発し、バルクキャリア3隻、木材チップ船2隻の計5隻に搭載してきた。
これらの搭載船では荷揚げ地の港で計約16,000立方メートル相当の海水を処理してきたが、処理時間・エリア・容量を更に増やすべく、この度、新型の回収装置の開発を行った。
【新型遠心分離式のMP回収装置の特長】
新たに遠心分離装置を設けることで、配管を閉鎖することなく、海水からMP等の浮遊物濃度の高い濃縮水を分離し、効率よく浮遊物を捕捉する。これにより、常時取水している海水ラインの処理や、従来型では一部の処理に留まっていたバラスト水処理装置内の逆洗機能フィルタの船外排水も全量処理することが可能となる。同船では、常時海水を取水している冷却海水ラインに繋げることで、航行中常にMPを回収することができ、従来機と比較し年間約70倍の海水処理が可能となる。自動車船の投入航路は全世界に及ぶため、航行中に装置を稼働することであらゆる海域を綺麗にし、海洋環境保全に貢献する。
【株式会社商船三井】