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環境ニュース[国内]

川崎重工、世界初 舶用水素ボイラの基本設計を完了

エネルギー 燃料電池】 【掲載日】2022.08.02 【情報源】企業/2022.05.31 発表

 川崎重工業株式会社は、クリーンなエネルギーである水素を燃料とする舶用水素ボイラの基本設計を世界で初めて完了した。
同ボイラは、これまでのLNG液化天然ガス)運搬船の建造で培った舶用ボイラの技術やノウハウと、当社が保有する水素燃焼技術のシナジーを活用して開発した。既に実用化されている小型の陸用水素ボイラとは異なり、波の揺動や設置スペースの制限が伴う船舶特有の条件や運用面などを考慮した設計となっている。また、ボイラ内の重要部品である水素燃焼バーナは、2021年度に実スケールサイズで燃焼試験を実施し、従来の天然ガス焚きバーナより高いターンダウン比を実現した。

 なお、本ボイラを搭載した液化水素運搬船の推進システムについて、一般財団法人日本海事協会から基本設計承認(AiP:Approval in Principle)を取得済。

 今後は詳細設計・製作を行い、2020年代半ばに実用化を計画している大型液化水素運搬船に搭載し、水素社会の実現に向けて実証を進めていく予定。なお、エネルギー分野では温室効果ガス排出量削減の動きを受けて、従来の天然ガス焚きボイラから水素混焼または専焼ボイラへ燃料が転換する流れが予想されている。同ボイラの技術は、陸上設備に設置するガス焚きボイラにも応用できるため、熱電ソリューションとして大型ボイラを必要としている国内外の石油・ガス・化学工業を始めとする各種プラント向けに陸用水素ボイラの開発を推進していく。

 同社は、脱炭素社会に向けた水素エネルギーの普及を見据え、水素サプライチェーン(つくる・はこぶ・ためる・つかう)の技術開発を進めている。本ボイラの技術は、水素を「はこぶ」「つかう」といった需給両面を担う。今後も水素のエネルギー利用に向けて開発を推進することで、カーボンニュートラルの実現に貢献する。
【川崎重工業株式会社】

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