一般財団法人環境イノベーション情報機構
川崎重工、水素発電の地域実装に向けた技術開発と社会実装モデルに関する調査を開始
【エネルギー 燃料電池】 【掲載日】2021.09.09 【情報源】企業/2021.08.17 発表
川崎重工業株式会社と株式会社大林組は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発」に係わる採択を受け、水素発電の地域実装に向けた技術開発と、社会実装モデルに関する調査の2事業を開始した。2事業のうち、「水素CGSの地域モデル確立に向けた技術開発・研究」では、兵庫県神戸市のポートアイランドの「水素CGS実証プラント」に設置済みのドライ方式水素専焼水素ガスタービンの改良、統合型EMSの再設計・改修および周辺公共施設に水素由来のクリーンな電気と熱を供給することで、より実用的で環境性が高い技術の確立と、地域に実装するためのモデル構築を行う。また、「水素CGSの事業モデル確立に関する調査」では、関西電力株式会社と共に、比較的大規模な施設やビルが集まる市街地などへの水素CGSの導入による脱炭素化に向けた事業モデルの調査・検討を行うことで水素エネルギーの普及促進をめざす。
なお、川崎重工と大林組は、2019〜2020年度にかけて、NEDOの助成事業として「ドライ低NOx水素専焼ガスタービン技術開発・実証事業」に取り組んだ。
この実証事業では、川崎重工が新規開発したマイクロミックス燃焼技術を適用したドライ方式水素専焼ガスタービンの運転に世界で初めて成功している。ドライ方式水素専焼ガスタービンは、ウェット方式)に比べて発電効率を約1ポイント向上させつつ、NOx性能に関してもウェット方式と同様に大気汚染防止法の規制値(70ppm:O2=16%換算値)をクリアすることを実証した。また、ドライ方式による約450時間の水素専焼運転を行い、耐久性に問題がないことを検証したほか、天然ガスを燃料にして運転したケースと比較して約150トンの二酸化炭素削減効果があることを確認した。
川崎重工と大林組は、これまで培った技術やノウハウ、データを活かし、今回の2事業を着実に実施することで、水素社会および脱炭素社会の実現に貢献していく、としている。
【川崎重工業株式会社】