一般財団法人環境イノベーション情報機構
六ケ所村使用済燃料受入れ・貯蔵施設の貯蔵プールの漏水 日本原燃が施工不良の背景を報告
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2002.12.25 【情報源】原子力安全・保安院/2002.12.24 発表
日本原燃(株)は青森県六ケ所村の同社使用済燃料受入れ・貯蔵施設内の加圧水型軽水炉(PWR)の燃料貯蔵プール水漏水トラブルへの対応についての報告書が平成14年12月24日付けで原子力安全・保安院に提出された。六ヶ所村の使用済燃料受入れ・貯蔵施設内のPWR燃料用貯蔵プールでは、平成13年7月以降、5か月以上にわたって1秒間に2滴程度の水が確認されていたため、日本原燃は平成14年1月から漏水の可能性があるとして調査を開始。10月21日までに、プール底部溶接線で1か所の貫通漏えい箇所とその周辺に3か所の貫通箇所を確認。また「貫通箇所溶接部で、内張り金属板と埋込金物を直接溶接するべきところ、寸法不足の内張り金属板を継ぎ足し部材で補い、その表層だけ溶接するような不適切な施工が行われていたことを確認した」との報告を11月15日付けで行っている。
今回の報告はこれらの報告に加え、(1)漏水の原因となった不適切な施工実施時の事実関係、(2)今回の漏水箇所以外に不良施工の可能性のある箇所、(3)漏水箇所の補修計画、(4)再発防止対策−−の4点について報告したもの。
このうち(1)の不適切な施工実施時の事実関係については、施工元請会社である(株)日立製作所や一次下請会社、二次下請会社の工事関係者から事情聴取を行い、当時は内張り金属板が寸法不良であっても元請会社へ申し出て対応をとらなければならない認識がなく、現場の判断で継ぎ足し部材で補う施工をしたことがわかった。
なお、(2)については施設内で内張り金属板をもつ設備14基のプール水に接する全部位で改めて点検を実施することを決定するとともに、(3)の補修計画としては漏水箇所の内張り金属板を張り替え、健全な状態に復旧する方針であると報告。(4)の再発防止対策としては、(一)施工時の抜き打ち監査、(二)不適切な施工が判明した場合の措置を盛り込んだ施工業者との契約、(三)不適合処理についての教育や品質保証活動、(四)ライニングプレート切断加工・寸法の事前確認などの未然防止措置についての要領制定−−などを実施するとしている。【原子力安全・保安院】