一般財団法人環境イノベーション情報機構
新たに地下水、水質、野生生物から臭素系ダイオキシン類を検出 13年度臭素系ダイオキシン類パイロット調査結果
【健康・化学物質 ダイオキシン】 【掲載日】2002.12.24 【情報源】環境省/2002.12.24 発表
環境省は、平成13年度に行った臭素系ダイオキシン類に関するパイロット調査の結果をとりまとめた。臭素系ダイオキシンは通常のダイオキシン類の「塩素」の1つ以上が「臭素」に置き換わった物質。臭素系難燃剤が混入している家電製品のプラスチックなどが不完全燃焼すると発生するといわれている。毒性は通常のダイオキシンと同程度とされているが、具体的な毒性評価や実態調査などはこれまで行われていなかった。このため、ダイオキシン類対策特別措置法の末尾にも検討事項として「政府は、臭素系ダイオキシンにつき、人の健康に対する影響の程度、その発生過程に関する調査研究を推進し、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする」との一文が加えられている。
今回の調査は、12年度のパイロット調査同様、調査地域として、「焼却施設周辺地域」「それ以外の一般都市地域」「対照地域」の3地域を設定し、これらの地域で大気、降下ばいじん、土壌、地下水、水質、底質、魚介類、鳥類・ほ乳類、食事試料の9媒体を採取、臭素系ダイオキシン類の測定を行う方法をとったが、調査対象媒体の採取量を増やすことにより、検出感度は12年度より向上している。
12年度調査では地下水、水質、野生生物については臭素系ダイオキシン類が検出されていなかったが、今回の調査結果としては、「焼却施設周辺地域」と「一般都市地域」の環境媒体のほとんどから臭素系ダイオキシン類が検出され、「対照地域」でも地下水について臭素系ダイオキシン類の検出が確認されるという結果になった。また、野生生物については新たに調査対象となったタヌキ・トビからのポリ臭素化ダイオキシン類検出も確認された。【環境省】