一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、欧州市民の騒音被害は今後増加すると予測
【大気環境 騒音/振動】 【掲載日】2020.03.25 【情報源】EU/2020.03.05 発表
欧州環境庁(EEA)は報告書「欧州の騒音2020」を公表し、欧州市民の20%超が健康に有害とされるレベルの交通騒音に曝されており、今後も騒音は深刻化すると報告した。欧州における騒音の最大の発生源は道路交通であり、都市の成長と移動利便性への要求の高まりにより都市部、農村部ともに今後10年間、騒音レベルは上昇すると予測されるという。他の主要な発生源は鉄道、航空機、工業である。世界保健機関(WHO)は55デシベルを健康被害の発生するレベルとしているが、推定で1億1300万人がこれを超える交通騒音に長期的に曝されており、若年死、虚血性心疾患、睡眠障害などの増加が懸念されるという。騒音曝露を管理し低減するための行動として、道路舗装の改修、交通流管理の改善、制限速度の引下げ、低騒音の交通手段の利用に対する市民の意識向上などの施策が行われているという。EUでは環境騒音指令(END)及び第7次環境行動計画(EAP)に基づいて2020年までの騒音低減目標を定めているが、現在の進捗状況では未達成となる見込み。【欧州環境庁】