一般財団法人環境イノベーション情報機構
国立環境研究所、生物多様性保全と温暖化対策は両立できると発表
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2019.12.19 【情報源】国立環境研究所/2019.12.03 発表
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所は、立命館大学、京都大学、国立研究開発法人国立環境研究所、東京農業大学と共同で、パリ協定が目指す長期気候目標(2℃目標)達成のための温暖化対策が、森林生態系を含む世界の生物多様性に与える影響を評価した。その結果、2℃目標の達成により、生物多様性の損失が抑えられることが予測された。
温暖化を放置しておくと、気温上昇により生物の生息環境が悪化する恐れがある。
2℃目標達成のためには新規植林やバイオ燃料用作物の栽培といった土地改変を伴う温暖化対策が必要だが、同時に生物のすみかも奪い、多様性を低下させてしまう可能性がある。
この研究では、2℃目標達成のための温暖化対策「あり」と「なし」それぞれの場合における将来の生物多様性損失の度合を、複数の統計学的な推定手法を使って、世界規模で比較した。
その結果、対策「あり」で2℃目標を達成した方が、「なし」のままで温暖化が進行してしまった場合と比べて、生物多様性の損失を抑えられることが、世界で初めて示された。
【国立研究開発法人国立環境研究所】