一般財団法人環境イノベーション情報機構
美浜発電所3号機の漏水は金属疲労によるき裂発生が原因
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2002.11.27 【情報源】原子力安全・保安院/2002.11.26 発表
関西電力(株)は同社美浜発電所3号機で漏水が発見された件についての原因と対策に関する報告書をまとめ、14年11月26日付けで原子力安全・保安院に提出した。美浜発電所3号機では平成14年11月12日に原子炉の冷却に必要な1次冷却水を循環させるポンプの軸シール部に封水(潤滑用の水)を供給するためのラインのうち、ベント弁(配管内の水張り時に空気を抜くための弁)溶接部付近から漏水が発見されていた。
関西電力の報告は、漏水の原因をベント弁ソケット部溶接部内側の金属疲労によるき裂発生が原因と推定。き裂は原子炉起動時や停止時に流量調整弁の開き方が小さく、ベント弁でキャビテーション(流水の一部が短時間に気泡化すること)による圧力脈動や、弁の振動が原因で発生したとしている。
なお関西電力では事故の起こったベント弁とほか2つのベント弁の管台を疲労強度の高い改良型管台に改めるともに、プラント起動停止時に調整弁をキャビテーション発生を抑制する運用に見直す−−などの対策の実施を報告。原子力安全・保安院もこの報告内容を妥当であるとの判断を示している。【原子力安全・保安院】