一般財団法人環境イノベーション情報機構
10年間の民間旅客機観測によりアジア太平洋地域の大気中二酸化炭素分布の三次元構造を解明
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2018.11.12 【情報源】国立環境研究所/2018.11.06 発表
国立環境研究所は、日本航空の旅客機を利用した温室効果ガス観測プロジェクト(CONTRAILプロジェクト)で取得された10年間にわたる大量の観測データを解析することによって、これまでは断片的にしか捉えられていなかったアジア太平洋地域における大気中CO2濃度の分布を三次元的に明らかにしたことを発表した。アジア太平洋地域特有のCO2濃度の分布には、シベリア域の森林によるCO2の吸収やアジアの化石燃料起源の排出の影響とともに、夏季のアジアモンスーンに伴う大気輸送が重要な役割を果たしていることが明らかになった。
アジア地域ではこれまで地上でのCO2濃度の観測でさえ非常に限られたデータしかなかったが、CONTRAIL観測はアジア太平洋地域におけるCO2濃度変動の実態把握を大きく進展させ、アジア地域の炭素循環の理解に大きく貢献するものと期待できる。
【国立環境研究所】