一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱原子燃料(株)成型施設でウランペレット容器3個を近づけたまま床置き
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2002.10.31 【情報源】原子力安全・保安院/2002.10.30 発表
平成14年10月29日、保安検査中の三菱原子燃料(株)成型施設で低濃縮ウランペレットの入った容器3個が近接して台車上に置かれていることが発見され、原子力保安検査官が直ちに容器間の距離を規定された値以上に離して置き直すように指示を行っていたことが明らかになった。核燃料同士を近接したまま置くと、核分裂反応が連鎖的に進み臨界状態となる危険性がある。三菱原子燃料(株)の保安規定では、運搬や床置きの際に容器の表面間距離で30.5センチメートル以上離して置くことが決められていたが、今回はこの距離が守られないまま置かれていた。
なお三菱原子燃料(株)によると、29日は保障措置の棚卸し査察中で、国際原子力機関(IAEA)査察官の要求に応じて、台車でウランペレットの入った容器を成型施設の管理区域内に運搬し、一時的に置いていたという。
原子力安全・保安院はこの件に対し、29日の段階で、原子力保安検査官の指示どおりの措置がとられており、安全上の問題はないと判断。ただし事業者に対して、事実関係、原因究明・再発防止策に関する報告を求めることにした。【原子力安全・保安院】