一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱重工、三菱ケミカル系工場にCO2回収装置完成、液化炭酸ガス製造設備を構成
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2017.12.25 【情報源】企業/2017.12.18 発表
三菱重工業は、三菱ケミカル系で液化炭酸ガス事業の日本液炭水島工場(岡山県倉敷市)にCO2回収装置を完成させた。新設された液化炭酸ガス製造設備を構成し、1日283tの回収能力を持つ。液化炭酸ガスを作るため、三菱ケミカルの水島事業所(同市)で発生するCO2を回収する。三菱重工は基本設計を担当し、主要機器を供給した。三菱ケミカルホールディングスのグループ企業で、液化炭酸ガス製造設備全体の設計・調達・建設を請け負った三菱ケミカルエンジニアリングに対し、三菱重工がCO2回収技術のライセンスを供与した。日本液炭は同グループの一員、大陽日酸のグループ企業で、炭酸ガスを液化・精製して液化炭酸ガスやドライアイスをつくり、販売する。
この液化炭酸ガス製造設備は、大陽日酸と三菱ケミカルホールディングスのグループ各社との協働の一環となる。低濃度の炭酸ガスから吸収液を使ってCO2を分離・回収し、高品質な液化炭酸ガスを製造する。三菱重工のCO2回収技術は吸収液を利用する化学吸収法となり、従来の方法と比較してエネルギー消費量を大幅に低減する。
CO2回収技術は今回のような液化炭酸ガスやドライアイスの製造用や、尿素、メタノール製造などの化学用途に利用できるほか、火力発電所からのCO2回収・貯留や、生産性が低下した油層にCO2を圧入することによる原油増進回収などに幅広く利用できる。三菱重工は天然ガス・石炭だきプラントの排ガスからのCO2回収商用装置を世界で12基稼働させ、トップシェアを誇る。
【三菱重工業株式会社】