一般財団法人環境イノベーション情報機構
福島第1原発4号機の制御棒駆動水圧系配管10本にひびを確認
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2002.10.16 【情報源】原子力安全・保安院/2002.10.11 発表
原子炉格納容器外側の制御棒駆動水圧系配管(CRD配管)の点検を実施中だった東京電力(株)福島第1原子力発電所4号機(沸騰水型、定格出力78万4,000キロワット)で、平成14年9月14日にCRD配管1本の表面に水のにじみが確認され、詳細調査の結果、この配管には貫通したひび割れがあることがわかった。この配管漏えい部上部にある海水系ドレン(排水)配管の点検口キャップからは海水が漏えいしていた跡が確認され、周辺には海水の影響と思われる錆も認められたことから、原因は海水の付着による粒内型応力腐食割れの可能性が高いとみられている。
また東電ではこの配管付近のCRD配管についても、液体浸透探傷検査や破面調査を実施。更に9本の配管で粒内型応力腐食割れによるひびの発生を確認し、これらの結果について平成14年10月11日付けで原子力安全・保安院に報告を行った。
なお原子力安全・保安院はこの報告について通達に基づく報告対象事象に該当すると判断。この件についての原因究明と対策を報告としてまとめ提出するよう東電に求めることにした。
この件での外部への放射能の影響はなく、国際原子力事象評価尺度(INES)による暫定評価も0−(安全に影響を与えない事象)であるという。【原子力安全・保安院】