一般財団法人環境イノベーション情報機構
トヨタ自動車、燃料電池とマイクロガスタービンのハイブリッド発電で実証実験を開始
【エネルギー 燃料電池】 【掲載日】2017.05.10 【情報源】企業/2017.04.26 発表
トヨタ自動車は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)とマイクロガスタービンを組み合わせたハイブリッド発電システムを元町工場(愛知県豊田市)の敷地内に設置し、実証実験を始めた。工場の自家発電設備に使用してエネルギー効率や運転性、耐久性を検証・評価する。結果を踏まえ、工場内での効率的な水素活用技術の開発・導入を進める。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の技術実証の一環で取り組む。SOFCは電解質にイオン電導性セラミックスを使い、700〜1000℃の高温で作動する。小規模の家庭用から大規模の工場電源まで幅広い用途があり、発電効率の高さが特長だ。マイクロガスタービンは、発電出力が小さい小型のガスタービンを指す。
ハイブリッド発電システムは、天然ガスを改質して水素と一酸化炭素を取り出し、マイクロガスタービンから送り込まれた加圧空気の酸素と水素・一酸化炭素の化学反応によって、SOFCで発電する。SOFCで発電に使わなかった水素などの排燃料と高温・高圧の排気をマイクロガスタービンに送り、排燃料を燃焼させてタービンを回し、発電する。
加えて、燃焼で生じる排ガスから排熱を回収する。SOFCとマイクロガスタービンのそれぞれで発電する2段階の機構で、55%の発電効率を達成するとともに、コージェネレーション(熱電併給)で総合効率を65%に高めた。システムはトヨタと子会社、三菱重工業と日立製作所の火力発電事業を統合した三菱日立パワーシステムズが共同開発した。
【トヨタ自動車株式会社】