一般財団法人環境イノベーション情報機構
アサヒグループHD、ビール醸造副産物でのゴルフコース管理で温室効果ガスを削減
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2017.04.05 【情報源】企業/2017.03.30 発表
アサヒビールを傘下に持つアサヒグループホールディングスは、ビール醸造副産物のビール酵母細胞壁を活用した農業資材(肥料)によるゴルフ場コースの管理で、温室効果ガス排出量が削減できることを確認した。新しいゴルフコースの管理を提案する。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)と定量的に評価した。アサヒグループホールディングスが開発したビール醸造で発生する酵母の細胞壁を応用する農業資材が、作物の生産を大幅に高めることは、これまでも分かっていた。水稲栽培で収穫量あたりのCO2排出量が約29%削減できるとする研究結果も得られている。今回、この農業資材を利用することによるゴルフ場のグリーン管理効果を評価した。
環境への影響が小さく、経済・社会面でも優れたゴルフコース管理システムの確立を目的に、製品やサービスに対する環境影響を評価するライフサイクルアセスメント(LCA)の手法で調べた。その結果、この農業資材を使ったゴルフコース管理は従来の方法と比べて農薬使用量が減少し、温室効果ガス排出量が約10%減少すると計算された。
日本全体の14万4000haのゴルフコース管理に適用すると、年間で最大約4万6000tの温室効果ガスが削減できる計算になる。この農業資材は世界中のゴルフ場や公園で農薬をできる限り使用しない安全・安心な芝管理に役立つという。今後、芝管理や農業の現場での実地試験の詳細な検証・解析を進め、持続可能な植物栽培システムを提案する。
【アサヒグループホールディングス株式会社】