一般財団法人環境イノベーション情報機構
東京電力を厳重注意 検査強化を指示
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2002.10.02 【情報源】原子力安全・保安院/2002.10.01 発表
平沼経済産業大臣は平成14年10月1日、東京電力の南直哉社長を呼び、同社の自主点検作業記録不正記載についての行政措置を示した文書を手渡し、厳重注意を行った。不正記載の疑いがあると報告された29件の自主点検作業記録を調査してきた原子力安全・保安院は、29件中16件(注)に明らかな問題があると分析しており、今回の東電あての文書でもこれを踏まえ、「原子力そのものに対する国民の信頼を大きく損ない、原子力施設立地地域の住民に不安をもたらす結果になったことは誠に遺憾」と東電を強く非難するとともに、企業倫理の再建や組織風土の改革を求めている。
また具体的な行政措置としては、(1)特別な保安検査の実施、(2)定期検査の厳格な実施、(3)溶接自主検査実施体制の特別調査の実施、(4)工事計画認可に際しての工事理由調査の実施、(5)使用前検査の厳格な実施−−などの検査強化を指示しているほか、平成14年度末までに再発防止対策の進捗状況を原子力安全・保安院に報告することが要求されている。
なお東電のトラブル隠しは当初報告された29件以外にも見つかっているが、今回の厳重注意はあくまでも29件に関して。新たな不正発覚分には「改めて必要な対応をとる」としている。
(注)東京電力の自主点検記録不正について、原子力安全・保安院は平成14年9月13日の暫定調査結果で「29件中15件に問題あり」との内容を報告していたが、10月1日付けの「原子力発電所における自主点検作業記録の不正等の問題についての中間報告」では問題事例が16件、と修正した。【原子力安全・保安院】