一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱日立パワーシステムズ、中国合弁会社が石炭火力発電所の排煙処理改善工事を完成
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2016.11.28 【情報源】企業/2016.11.22 発表
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、中国で石炭火力発電所向けの排煙処理システム改善工事を完成させた。同社は三菱重工業と日立製作所が事業を統合し、火力発電システム事業全般を手掛ける。中国で設立した環境装置エンジニアリング合弁会社、浙江菲達菱立高性能烟気浄化系統工程(FMH)が初号機を受注していた。7カ月の短い納期で完了し、営業運転が始まった。中国5大電力会社の1社、中国華電集団傘下の電力会社、華電鄒(すう)県電力から受注した。工事は、山東省にある華電鄒県発電所の出力100万kWの設備を対象に、電気集じん装置、排煙脱硫装置、ガスガスヒーター(GGH)などを改造・追加設置した。ボイラー排ガスに含まれる二酸化硫黄(SO2)とばいじんを除去して低濃度化する。
運転開始を前に、中国の基準となる168時間の連続試運転を行った。その結果、脱硫率を98.8%に高めるとともに、煙突入口のばいじん濃度を従来の約5分の1に低減できた。中国の最新環境規制値の中でも大都市に適用される特に厳しい規制値「近ゼロ値」を達成した。環境負荷を大幅に低減したことで華電鄒県電力から高く評価された。
FMHは、MHPSと中国の電気集じん装置大手、浙江菲達環保科技(FEIDA)の折半出資で2015年3月に営業を始めた。PM2.5(微小粒子状物質)などのばいじんを除去する総合排煙処理システム(AQCS)製品の中国全土での販売拡大を推進している。MHPSは石炭火力プラントの排ガスをクリーンにする各種AQCS製品を保有し、一括提案できる。【三菱日立パワーシステムズ】